真価の探求(AI)を学ぶ
一般社団法人日本体験学習研究所(JIEL:ジャイエル)では、グループダイナミックスの創始者と言われるK.レヴィンと研究仲間たちにより、1946年に創始・開発された「ラボラトリー方式の体験学習」を核として、人間関係のありようを探求するための公開講座や研究会などを開催しています。
Appreciative Ingury(AI)とは、個人、グループ、組織といったシステムの中に現在もっている「生き生きと輝くエネルギーを与える力(Life giving Forces:ポジティブコア)を見つけ出すことから、個人、グループ、組織のありたい姿・素晴らしい姿を実現するための探求をするアプローチです。一人ひとりがもつ真価を探求する活動、その代表的なアプローチとして、その人や組織がもつポジティブ・コアを探求し、そのポジティブ・コアが最大化された未来(夢)を描き、その実現に向けてメンバー相互に協働的なかかわりが生まれる、参加型のアプローチです。
このAIアプローチの哲学、原則には、
①社会構成主義の原理:組織メンバーが語ることがリアルな世界を創る
②同時性の原理:問いかけることと変化とは同時に起こる
③予期の原理:メンバーの期待や予期が未来を創る
④詩的原理:組織のストーリーはメンバーが本の共著者となって描き綴っている
⑤ポジティブ原理:ポジティブな気持ちや希望ともつことは、組織変革への推進力や持続力になり効果的である
といったものがある。
AIアプローチのステップでは、まず、「Define:定義する」ステップでクライアントとコンサルタントがAIアプローチの実施を了解したり、テーマを決めたりします。
契約が成立すると、「Discovery:発見する」ステップではポジティブコアの探求を行い、「Dream:夢を描き」ステップでは組織の大胆な夢を描き、「Design:デザインする」ステップでは描いた大胆な夢を実現するための柱を抽出して、「Destiny:持続する」ステップでは具体的にデザインされた設計を誰がどのように実現するかなどを話し合い、未来の夢に向かって協働的に活動を進めていくことになります。
以下の講座をおすすめします
この講座では、AIとはどのようなものかを体験を通して学ぶと共に、参加者みなさんが現場でどのように生かしていけるかを探っていきたいと考えています。特に、できる限り本講座の場が、4Dサイクルを体験する生の現場になることを願っています。そのために、学びが持続する学習共同体(ラーニングコミュニティ)を創りたいという意思のある方にお集まりいただきたいと考えています。
合宿形式で行いますので、参加者同士の交流のも深まるえがたい機会になるでしょう。
また、これまでの本講座に参加されたみなさまは、その後もAIアプローチ実践研究会として学びの場を継続して創っています。
※参考テキスト:ポジティブ・チェンジから主体性と組織力を高めるAI~ ダイアナ・ホイットニー&アマンダ・トロステン=ブルーム(著)高間邦男(監訳)ヒューマンバリュー(2006)
AIアプローチアドバンス講座~アプリシエイティブ・リーダーシップを学ぶ~
本講座は、JIEL主催のAIアプローチ基礎講座を参加された方を対象にしたアドバンス講座です。
いわゆるAIアプローチの4つのステップでは、最終プロジェクトが新しい課題に取り組むことになり、その課題を達成するために負荷が掛かりすぎることがあり、持続力を失うことがあるようです。
そこで、一人ひとりがAIアプローチの考え方やアプリシエイティブなレンズをもって、チームや組織にかかわることで、構成員であるメンバーの可能性を拓き、自発的・主体的な組織運営を可能にするといった可能性を持っています。
下記の参考文献の「なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?~ポジティブ・パワーを引き出す5つの思考法」で紹介されている内容をヒントに2泊3日のプログラムを考えています。
また、ナラティブ・セラピーの考え方や演習も取り入れながら、学ぶことができればと考えています。
※参考テキスト:なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?~ポジティブ・パワーを引き出す5つの思考法 ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステン=ブルーム、ケイ・レイダー(著)市瀬博基(訳)日本経済新聞出版社(2012)
2ヶ月に1回ぐらいの割合で、年に5回ほど、JIELのオフィスであるHCC(ヒューマンコラボレーションセンター)に基礎講座の参加者の有志が集まっています。12時頃に集まり、昼食(多くは中華の出前)をとり、少しアルコールも飲みながら、午後4時頃まで、AIアプローチを中心にして、それぞれが日常で仕事として取り組んでいるコンサルティングのことや、また最近の組織の課題などについて自由に語り合っています。毎回、集まってから話し合う議題(アジェンダ)を出し合うのですが、いずれの回も充実した会合になっています。