チーム・組織のプロセスに働きかける
一般社団法人日本体験学習研究所(JIEL:ジャイエル)では、グループダイナミックスの創始者と言われるK.レヴィンと研究仲間たちにより、1946年に創始・開発された「ラボラトリー方式の体験学習」を核として、人間関係のありようを探求するための公開講座や研究会などを開催しています。
「ラボラトリー方式の体験学習」では、「コンテントとプロセス」という考え方と「体験学習の循環過程」という学び方がベースになっています。特に、プロセスを観る視点はとても重要で、個人の成長、グループやチームの成長、組織づくりでは、いかにその場に起こっている個人やグループのプロセスをとらえ、そのプロセスに働きかけることができるかが、コサルタントやファシリテーター、教育者などには大切な哲学とスキルになります。
グループのプロセスに気づき、一人ひとりのメンバーのプロセスにも寄り添いながら、グループや個人がイキイキする素晴らしいグループをめざした関係づくりを探求するための働きかけを学びます。
本講座のカテゴリーでは、特別に話題や手続きが決められていない非構成のグループ体験(Tグループ)を通して学ぶことを支援するファシリテーターの考え方やスキルを学ぶ講座があります。
そのほかに、プロジェクトチームなどに代表されるように達成すべき目標を明確にもったグループ活動を支援するために、グループプロセスのみに働きかけるコンサルタント(グループプロセスコンサルタント)を育成する講座があります。
また、グループの状況を観察やインタビューなどでデータ収集し診断して、そのグループのプロセスに介入するためのプログラムをデザインして実施・評価するチーム診断コンサルティング講座も用意しています。
ただし、Tグループファシリテーター・トレーニングは、JIELおよび南山大学人間関係研究センター主催のTグループへ参加を基礎資格としていいます。
その他の講座は特別基礎要件として講座を指定していませんが、できればJIEL主催のTグループに参加されてからご参加されることを推奨します。もしくは、本カテゴリーの講座にご参加後にTグループに参加されることをお勧めします。
以下の講座をおすすめします
このトレーニングの中心的なプログラムは、参加者がTグループファシリテーター(トレーナー)役、オブザーバー役、メンバー役を交替で担いながら、Tグループセッションを積み重ねていきます。1セッション終了後に、ふりかえりセッションを行います。ふりかえりセッションでは、グループのプロセスを分かち合い、トレーナーの言動を中心に話し合い、グループへの働きかけについて学びます。
※本講座への参加は、JIEL主催のTグループもしくは、南山大学人間関係研究センター主催のTグループに参加され方、その他5泊6日のTグループに参加されていることを基礎資格とさせていただきます。
※テキスト:プロセス・エデュケーション~学びを支援するファシリテーションの理論と実際~
チーム診断コンサルティング
本講座では、相互にチームに関するデータを収集し分析することによって相手チームの状況を把握した上で、担当のグループに対して教育プログラムのデザインを行い、実施します。それらの一連の流れを体験することを通して、プログラムデザインの基本的な考え方や進め方、またデザインされた実習プログラムの実施について、体験を通して学ぶことを目的とします。
※テキスト:プロセス・エデュケーション~学びを支援するファシリテーションの理論と実際~
グループプロセス・コンサルティング
本講座は、W.B.レディ氏著の「インターベンション・スキルズ~チームが動く、人が育つ、介入の理論と実践」(日本語訳版、金子書房)をテキストに用いて、グループプロセスコンサルタント役を担い、グループ相互にグループプロセスコンサルタントとして仕事をする体験を通して学びます。学ぶ要素としては、「グループプロセスコンサルタントとは」「グループプロセスを観る視点」「グループプロセスに働きかける選択肢」「グループの状況と働きかけ」「グループの変化発達モデル」などを体験を通して学びます。
※参考テキスト「インターベンション・スキルズ~チームが動く、人が育つ、介入の理論と実践」(日本語訳訳、監訳津村、訳林・岸田・岡田、2018、金子書房)