スタッフブログ

2016年5月1日|

「学びの祈願祭」、そして「学びの収穫祭」へ

 ブラジルに住んでいたとき、驚いたことがいろいろあります。そのひとつが「バチーダ・デ・マラクジャ」。バチーダはカクテル。マラクジャはパッションフルーツ。バチーダ・デ・マラクジャは、カシャーサというブラジルの焼酎のような酒をベースにし、パッションフルーツで割ったカクテルです。それまでに飲んだことがない新鮮な味でした。
 日本のホームセンターでマラクジャの苗を見つけ、買ってきて植えました。驚いたのは、植えてまもなく枝はぐんぐん伸び、葉はあちこちに広がり、家の軒を占領するほどの成長ぶりです。ところが楽しみにしていた実はひとつもなりませんでした。「肥料がたりないね」という人もいれば、「もうひとつ苗を植えて受粉させなくちゃいけなかったよ」という人もいます。「南の国の植物だから、冬は家の中にいれたほうがいいよ」と植木屋さんにいわれましたが、なんとか冬を越せるだろうと高をくくっていたところ、葉は黄土色でかさかさになり、落ちてしまうようになりました。やむをえず春先に根から抜いてしまいました。バチーダ・デ・マラクジャの夢はついえた。

 

 4月23日から26日まで清里の清泉寮で「JIEL 春まつり:学びの祈願祭」が行われました。「さまざまなファシリテーションにふれる」という副題のとおり、ぎっしりと詰め込まれた内容でした。マインドマップ、インタープリテーション、セルフ・サイエンス、POPO、グループの成長のための診断と働きかけ、ナイトハイク、毎夜のラーニング・バー、・・・。参加された人のアンケートを読むと、もう少しゆったりしたほうがよい、といった声も聞こえるくらいです。
 私自身も(その他の原因もあって(笑))寝不足の日が続きましたが、そこそこよかったのではないか、と思っています。手前味噌のように聞こえるかもしれませんが、その理由はこうです。今回のそれぞれの内容はそれを完遂するには不十分かもしれないけれど、さまざまな内容の核やベースとなるところ、その入り口を体験することができた。参加された人たちはそれぞれの関心領域があり、持ち味がある。それぞれの人がそれぞれの苗を見つけ、それを日常や現場で育てていくそのきっかけになったのではないか、と思うからです。そして、それぞれの人が持ち帰る苗に必要となる、あるいはさらに成長させてくれる肥料や水や日の光となる仲間ができた、と思ったからです。
 11月に「JIEL 秋祭り:学びの収穫祭」が行われます。どんな実が収穫され、どんな話を聞くことができるか、ともに種を、苗を植えた仲間の再会が楽しみです。

 

 ホームセンターでミニ・トマトの苗を見つけ、買ってきて植えました、清泉寮のミニ・トマトが甘く、おいしかったので。


2016年4月17日|

新年度のスタート

新年度が始まって半月以上が過ぎました。
街の様子も桜はすでに散り、ハナミズキが綺麗に咲き誇っています。
ここ数日、九州では大きな地震が起こっていて心配です。
人間は自然に抗うことはできませんが、これ以上被害が大きくならなければいいと願うばかりです。
被災者の皆さん、その関係者の方々にもお見舞い申し上げます。

私の新年度初めてのJIELの仕事は、京都府の私学幼稚園新採用者研修でした。
花見で賑わう京都の御所近くの会場でした。
会場いっぱいのスーツ姿の新人さんたちは、初々しく緊張感も感じられましたが、どこか華やいだ感じがあり、桜に彩られた戸外の景色にも似ていました。
私は新卒で組織に入ることがなかったので、皆さんの気持ちをちゃんとキャッチしているか分かりませんが、すっかりお母さん気分になって上手く社会人のスタートが切れればいいなぁと思わずにはいられませんでした。

研修はアイスブレイクや情報紙を用いた問題解決実習を中心にしたグループワークを行ないました。
会場中に若い声が響き、積極的な熱気の感じられる時間を過ごすことができました。
この体験が、これから支え合っていく仲間づくりのきっかけになってくれれば幸いです。

新年度は特に節目でなくても、少し緊張感があり改まった感じがします。
そんな時間を未来ある若い人たちとご一緒できたのは、私にとって嬉しいひと時になりました。
この研修はスタッフとしてもJIELを理解してくださる2人の方とご一緒したので、それも私とってはありがたく刺激もありました。
とても気持ち良く新年度をスタートすることができました。

11月の終わりに同じ方たちに再度研修を行うことになっています。
その時が今から楽しみです。
私もその時、成長した彼女たちに負けないように、一つひとつの仕事をしていきたいと思っています。

本年度もどうぞよろしくお願いします。


2016年4月15日|

新入生

今年も新入生がやってきました。数日の新入生のオリエンテーションの後、そろそろ授業が始まりつつあります。たいていが20代の若者ですが、中には30代や40代の学生もいて、歳の違う人たちとどのように関わったらいいのか、お互いに様子をうかがっているようです。私にしてみたら、全員が年下なので若くていいなぁと思うのに、1歳や2歳の違いでどんな言葉遣いでどんな話をしたらいいかわからずに緊張しているのだそうです。毎年新しい出会いがあり、毎年クラスの雰囲気が違って、おもしろいものだなと思います。
私はクラスの担任として、オリエンテーションの初日に、学生たちに「お互いに言いたいことを言い合え、お互いの話をききあえる関係、風土を作ろう」と言いました。社会にはいろいろな複雑な問題がたくさん起こっているけど、まずはこのクラスから民主的な風土を作りましょうと。国家資格を取得したいと思って来た学生にしたらこのおばさんは何を言っているのか?ぴんとこないというのが正直なところだと思います。私自身は自分の思いを貫き、言葉と行動が一致しているかどうか、内省しながら日々学生たちと関わっていきたいと思います。個人面談で一人ひとりの学生たちと話をしていると、学生時代に傷つき精神的にダメージを負った経験があったり、身近に病気などで介護が必要な人がいたり、離婚や死などで家族を失ったり、必ずしも順調な人生を歩んできた人ばかりではありません。この学校を選んで偶然にも出会わせていただいたことに感謝をしています。


2016年4月10日|

クレーム対応コミュニケーション研修

 先月、名古屋近郊の医療機関で、そのクリニックの看護師や職員、そのグループのデイサービスや居宅介護事業所の介護福祉士、ヘルパー、職員、さらにはその都市の社会福祉協議会の方まで交えて「クレーム対応コミュニケーション研修」を行いました。

 

 クレーム対応の研修依頼は初めてのことなので、あれこれ勉強しました。けれど、基本はC・ロジャーズのパーソンセンタード・アプローチから学んだ「相手の怒りや不安などを相手のものとして受けとめ、共に感じて傾聴しながらも巻き込まれないこと」と、マーシャル・B・ローゼンバーグのNVCから学んだ「ニーズを満たすために生きている生物は皆、ニーズが満たされたとき、あるいはニーズが満たされなかったときに感情が動く。そのため、自分や相手の感情を知ること、感じることはニーズを知るヒントになる」の2点だと考え、そこからクレーム対応コミュニケーションのメソッドをつくってみました。

 

 日本体験学習研究所(jiel) の研究員として行う研修ですので、「体験から学ぶ」スタイルを守り、最初の30分は講義を行いましたが、その後はサンプル課題を出して、グループごとにオリジナル・メソッドに則ってクレーム対応のシナリオづくりに取り組んでいただきました。

 

 今、思えば不遜にも「全10グループのうち3グループくらいできたら、発表していただこう」という予想をしていたのですが、何と全グループ、シナリオを完成できたのです! ロールプレイ形式の発表は、なりきりの熱演ぶりが学びの中にも我慢できない笑いを呼び、楽しくなごやかな研修になりました。

 

 わずか2時間の研修だったことが残念で、できたら2時間半か3時間でまたやってみたいと思っています。


2016年4月9日|

2016年度がスタートしました!!

 2015年度の決算を税理士のご協力のもと、終えることができました。2015年度は、それまでの任意団体として活動していたJIELの支援(寄付)をもらいながらも、無事にすべての活動を終えることができました。
 法人として、運営していく大変さとおもしろさの両面を体験した一年になりました。
 私どもの活動は、公開講座をはじめさまざまな企画に、参加者に集まっていただかないと成立しないわけで、2016年度も、いかに社会のみなさまに関心を持っていただける企画を提案できるかが大きな鍵となります。
 ベースとなるTグループが広く社会に根付くための根気強い活動と、一方で社会の皆様が今まさに関心をお持ちのニーズに応えられるように、務めたい参りたいと考えています。

 みなさまがた、昨年度以上に、ご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。


2016年4月2日|

浜野矩隨とムヒカがやってきた

 「あれ?これ、前に聞いたことあるな」

 

それほど知っているわけでもない私が一番好きな噺家である古今亭志ん朝さんの「浜野矩隨」を聞いていたとき、口から出てきました。それ程度ですので落語そのものを語ることはできそうにない私ですが、今回「浜野矩隨」を聞いたときに、前回聞いたのとは異なる、なにやら沁み入るものがありました。
 年月をおいて改めて接してみると、違うことが入ってくる。落語に限らず、昔読んだ本を時を経てその本に再び出会い、読んでみると、違うことが湧きでてくる。
 その時に必要なことがやってくるような気がします。落語や本は、以前聞いたり読んだりしたものだったけれど、なぜか観ているテレビのドラマの登場人物がつぶやいたことばのひとつが、今の自分に与えられるために出現したものであるかのように感じることがあります。

 

 ウルグアイの元大統領のホセ・ムヒカさんが来日します。就任当時、世界一貧しい大統領として有名になったばかりでなく、2012年のリオ会議(環境の未来を全世界で決めて行く会議)でのスピーチは世界に向けて私たちの今のありようを問いかけました(https://www.youtube.com/watch?v=jwbaoi6a4BU)。
 もちろん、ムヒカさんは私が引き寄せたから日本に来るわけではありません。ただ、この世に起こるすべての事象(といってもいいと思うのですが)は、意味があり、つながりがある、と思います。言い方を変えれば、そこで起こっていることをどう意味づけるかがとても大切なことのような気がします。
 なぜ「浜野矩隨」を2回聞くことになったのか、ムヒカさんはなぜ日本に来るのか、今日なぜなすことがうまくいかなかったのか、なぜそうすることに駆り立てられたのか、・・・。

 

 「天が下のすべてのことには季節があり、すべてのことには時がある」(「旧約聖書」伝道の書 第三章より)


2016年3月28日|

年度末で思うこと

今回のブログは私の近況をお伝えしようと思っています。私にとって大きな出来事として、4月から嘱託職員として働くことにしました。
今までは、看護が大好きで育児期間は嘱託職員として働くことにしていましたが、実父が亡くなったことをきっかけにして正規職員として働いてきました。看護師は様々ことを特に看取り通して「死」と「生」を非常に考えさせられたことが大きいと思います。
看護師として亡くなる前の患者さんと接するときに、私という人間が問われることが非常に多くありました。この経験はファシリテーションにもつながるところがあり、自分自身の生き方や人とのかかわり方が、最終的には問われるのだということを身に染みて感じることが多かったのです。
患者さんとともに泣き、そして笑い、ぶつかりながら、すごく葛藤しながら、それでも看取り、看取られていく一期一会の感覚を味わい仕事させてもらい多くの恵みを得ることができました。
しかしながら、年々失われていく体力と気力を感じながら看護師と研修の講師を引き受けていくことの限界を感じて、看護師から、ファシリテーターとしての私にシフトしていく準備期にしようと思ったのです。


2016年3月27日|

サクラの咲く季節

 年に何回か静岡に出張します。その際、18時に帰途につくのですが、冬は真っ暗。何となく寂しい感じです。サクラの咲くこの季節になると、日が長くなり、18時という時間帯は、夕日が沈むころで、つい誰かに話したくなるような綺麗な夕焼けが目に入ってきます。運が良ければ、さくらも見ることができます。春を感じつつ。
 花見の思い出は、新入社員のときに、上司に連れられていった公園の風景が今でもよみがえってきます。さくらの花びらがひらひらと落ちてくる中での、熱燗は美味でした。とても仕事には厳しい方でしたが、部下の面倒見はとてもよかったです。Mさんに感謝!

 

 春を感じつつ、新人のときの新鮮な気持ちを持ちつつ、今までの学びを活かす新年度に向けて!

 

さくら 


2016年3月14日|

第2回Tグループのフォローアップ研修

昨日3月13日(日)は昨年12月に開催された第2回Tグループのフォローアップ研修でした。山梨・清泉寮で参加者の皆さんとお別れしてから3か月、名古屋は原のHCCにて再会いたしました。沖縄、福岡、大阪、京都、名古屋、東京・・・日本全国からのお土産でお茶のコーナーが埋め尽くされ、さながら全国物産展のようでした。3か月前にお互いに呼び合っていた名前で声を掛け合い、再会を楽しみました。
研修の中でTグループ後の3か月をふりかえり、互いの話に耳を傾けました。さまざまな出来事が起こりながらも、それを捉える視点が大きく変化したことが感じられました。またその変化を素直に共に喜び励ましあう仲間たちもいました。いい場だな~しみじみ思いました。それはスタッフチームが作ったものではなく、この場にいる全員が率直にいることで作り上げた場でした。
人生のうちのたった5泊6日なのに、なぜこんな関係になれたのでしょう!?不思議でなりません。またTグループの魅力にひかれていく私でした。あの場で集中的に体験したことが、この私たちが生きる社会で実現できることも夢ではないと信じられる1日でした。


2016年3月7日|

多様性を大切にするということ

 体験からの学びの場をつくるときに「多様性を大切にする」ことの重要性がよく語られます。
 組織やグループは放っておくと同質性の高い集団になりがちで、何かやろうとすると発想が似ていたりします。人は無意識のうちに他者の期待や傾向を読み、それに合わせようとする面がきっとあるのではないでしょうか。だからこそ作業効率が上がることもあり、悪いことばかりではないのですが、新しい発想や現状の変革のためには異質な人の存在が必要です。組織やグループでは生産性や創造性、自由闊達な風土、持続可能性等の観点から「多様性を大切にする」ことが必要なのです。

 

 そして、街や社会となると話はもっと切実です。
 世の中には本当にいろいろな人がいます。年齢、性別、職業、健康状態、能力、性格、経済状態、倫理観、……実に人それぞれ。そんな一人ひとりの人間に「健康で文化的な生活を送る」権利があり、自由があります。

 

 少し前に鉄道事故で亡くなった認知症の高齢者の家族が、鉄道会社に訴えられていた裁判の最高裁判決が下りました。そのケースでは家族に監督義務を認めることはできないという判決で、家族の賠償責任は問われませんでした。鉄道会社の損害はともかく、きっとその判決に安堵した人も多いのではないかと思います。高齢化社会の進展とともに認知症患者も増えていて、その一人ひとりに人権があります。そうした認知症患者の人権をいかに大切にするか。「多様性を大切にする」ことが問われる時代の局面だと思います。

 

 ラボラトリーの学びの場では、他者だけでなく自分の人権をいかに大切にできるかを問われることがよくあります。自分が感じたことや考えたことはいくら強く感じ、深く考えても、言動や態度で表さなければ他者にはわかりません。自分の中の感情、思考でしかなければ、他者は現実のものとして認知できないからです。それなのに「他者と違うから」自分が言えなかったとしたら、表現できなかったとしたら、自分が自分の多様性をスルーしたことになります。このような場面に行き詰まりを感じて、私は「アサーション・トレーニング」を始めました。「アサーション・トレーニング」は私にとって、ラボラトリーで、日常で「多様性を大切にする」ための方法の一つなのです。

 

 今年のJIEL公開講座「アサーション・トレーニング」は7月16、17、18日の3日間。連休を利用した3日間集中のこの講座で、今年も多くの方に「アサーション(正直で率直な自己表現)」の学びをシェアし、共に学び合いたいと思っています。関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

第2回 アサーション・トレーニング


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