257円
「壺算」という落語の演目があります。買い物が苦手な友だちに代わって壺を買いに行きます。最初は小さい壺を値切って買いましたが、瀬戸物屋に引き返し、大きい壺が欲しかったのだ、といい、壺を返すのでその下取り代と最初に払ったお金とあわせて大きな壺の代金として持ち帰ってしまう、というお噺です。瀬戸物屋はこんがらがって最後には小さい壺ももっていってくれ、というほどパニックになります。
先日夕方、抑えていた気持ちが萎え、スーパーで缶チューハイとかっぱえびせんなどに手を伸ばしてしまいました。品数も多くないし、自分でバーコードを当てて支払う自動レジ(?)を使おうとしました。するとそちらには順番待ちの列ができています。となりの“人的レジ”を眺めるとそちらのほうが並んでいない。自動レジはやめて“人的レジ”に行きました。
小銭で支払いは十分だろうとポケットからコインを出したら、500円玉1枚、10円玉4枚があり、それを手に載せていくらになるか待っていました。「257円になります」とレジ係の人がいったので、トレイに500円玉を置きました。すると私の手のひらを見ていたのでしょう、「10円を1枚置いていただければ50円玉でお返ししますが」といってきました。パニックになりました。なぜその計算が成り立つのか、頭の回転がフルスピードになったのですが、答えが出てこないうちにお釣りが出てきました。253円。100円玉2枚、50円玉1枚、1円玉3枚。あっているのかあっていないのかわからないけれど、レジの機械は自動でお釣りを計算して出してくれるのであっているはずです。もし500円玉で払っていたら、お釣りは100円玉2枚、10円玉4枚、1円玉3枚だったから、10円玉の数が8枚になっていた。
帰りの車のなかでも考え続けました。もし500円玉で払っていたとしたらお釣りは243円。10円玉が4枚返ってくるわけですが、先に10円を払っておけば243円+10円=253円となり、50円玉1枚が返ってくる、ということに気づくのに時間がかかりました。人生けっこう長いこと生きているけれど、そのことに今初めて気づく!だからもし料金が263円だったとしたら、500円玉1枚と10円玉2枚を出せばお釣りが100円2枚、50円玉1枚、1円玉3枚となる。学生時代、数学は得意なはずだったのに。あのレジのおばちゃん、やるな。
土曜日の夕方に車に乗っているときに聞くラジオがあります。FM-NHKの「ラジオマン・ジャック」。音楽もいい選曲がされているのですが、パーソナリティのやりとりが。
先日、「一年の計は?」といったら「365日!」と答えていました。笑えましたが、あながち365日でもおかしくはないわな。つづいて「果報は?」。「大切!」。ん? それって、“家宝”? 確かに大切、大切。わが道を行く。