日体研、その時

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 121日、2日と日本体験学習研究会(日体研)が南山大学で例年通り開催されました。

 初日は仕事があり、参加しませんでした。夜の懇親会には出ることもできたのですが、2日目の発表の一夜漬け準備に時間を取られました。発表者の申し込み締め切り後にボスが発表者が少ない、などと含みをもたせるメールによりプレッシャーを受け、消極的動機で発表することになりました。発表当日はそれでもたくさんの方々にご参加いただき、いろいろ有益なお話ややりとりができたかな、と思っています。

 その後のミニ・セッションで佐々木豊志さんが発表された「3.11東日本大震災で試された「生きる力」〜「生きる力」は体験学習から育まれる〜」が強く印象に残っています。とくに“Cゾーン”の話です。

 “Cゾーン”とは、“Comfortable Zone”のことです。心地よい、安全なゾーンというで、そこから抜け出ることに冒険がある。冒険は当然、リスクがともなったり、安全ではなかったり、予測できない、心地悪い、精神的なストレスがある、状況が見えない、不安が増す、明日どうなるのかわからない、結果が保証されない、ということが起こります(http://www.rq-center.net/report/1801より)。

 ミニ・セッションの終了後に南山大学大学院M1の皆さんによる全体会が催されました。その時に“自分へのひと言メッセージ”を書くことになりました。私は絵にしました。

 真ん中のきみどり色が私のCゾーンです。最近の自分のファシリテーションを省みると、どうも守りに行っている、というかこんなもんだ、これくらいしか、といったところがふつふつと出てきているように思います。安全ゾーンに安んじてしまっている。

1年1か月と3日前、山口眞人先生が他界されました。Tグループのときなど山口先生は最後の全体会でよく“チェンジ・エージェント(Change Agent)”の話をされました。Tグループの興奮状態が冷めやらぬせいか、私にとってはこのことばが強く心に焼きつきました。その魂を“自分へのひと言メッセージ”のCゾーンの中に黄色で描きました。ファシリテーションは単なる技法や手段ではなく、思想であり、哲学である、と私は思っているし、信じています。その思いを遺志を山口先生から受け継ぐためにも、まだまだやらなければならない冒険が待っています。

私の周りには同じくCゾーンをもつ個人や団体や組織があります。このままでいい、変わりたいけど変われない、変わる意志があるが行動がともなわない、などといったさまざまな状況や環境があるでしょう。そのなかで私ができることはなにか、それぞれに沿えるかかわりや働きかけはなにか、それをいろいろな色や線で表わしました。

「本当の人間の価値は、すべてが上手くいって満足している時ではなく、試練に立ち向かい、困難と戦っているときにわかる ”The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.”」(キング牧師)