ふりかえりとわかち合い

今月の24日は、ある高校の現職教員の研修を行ってきました。
現場の先生からは、熱心に質問されて嬉しかった半面、手探りの状況の中で体験学習を試行錯誤しながら繰り返し、困っているのを肌で感じました。とくにふりかえりとわかち合いで困難さを実感されていました。
わたしが、初めて学生さんの前で、実習を行ったときに、どう学生に働きかけをしたら良いか分からなかった時を思い出しました。体験学習は、構造化されているので、実習、ふりかえり用紙記入、わかち合い、まとめ(小講義)とすることで、ある程度は学びや気づきが参加者同士で得られていくものです。
しかし、実習をあまり参加しない、ふりかえり用紙をあまり記入しない、わかち合いも時間が過ぎるのを待つだけでじーっとしているなどの生徒さんがいる状態の中で先生たちの取り組みは、大変さが本当ににじみ出てくるものがありました。質疑応答をしていたときに、ある先生から「体験学習は、ある程度コミュニケーションがとれる人たちを対象にしているのではないですか?」と言われてドキッとしました。
不登校だった生徒が多かったり、軽度の発達障害がある生徒がいる中で、体験学習は、「有用であるか」を問われていると感じました。確かに、体験学習は万能ではないので、いろいろ困難なこともあるかと思います。
だけれども、体験学習に携わる者としては、必ず、参加者にマッチした実習を行えば、学びや気づきがあると思っています。
しかし、どんな実習をするか選択することが重要ですし、既存の実習がなければ、実習そのものを創作していく必要がでてきます。
今回も情報誌を使用する実習は、困難さを感じた先生も、動きのある実習したときに生徒の反応が良かったと感じていました。何度か実習をする中で、一筋の光を感じることもあり、そこを手掛かりに今後も経過を見させてもらうことにしました。
最後に「何かを学ばせようとするばかりでなく、学校が楽しいって感じてもらうだけもいいのかも」と言われ、にこっと笑顔をなったある先生をみてうれしくなりました。
体験学習を通じて、「共に過ごす、共にいる」ということが大切と改めて思う研修でした。