中学校の新入学説明会にて
去る2月4日(金)、愛知県小牧市立応時中学校の新入学説明会にて、父兄の皆様と教員の方々を対象に体験学習を行いました。
応時中学校は当研究所の津村所長が、何年も前に同校の先生から相談を受けて、学校風土改革のために「ラボラトリー方式の体験学習」を伝授した学校です。
以来、同校では授業に体験学習を取り入れたり、人間関係部会という先生がたの専門部署を設けて体験学習への理解を深めたり、あるいは毎年、何名かの先生がたを南山大学人間関係研究センターの講座へ派遣してノウハウを蓄積し、学校風土と人的資源の維持に努めています。
当日はおよそ100名程度のおかあさま、おとうさまに加え、まだまだ生徒数増加中の同校には先生がたも多くいらっしゃって、体育館には総勢130名程度の人数が集まっていたのではないかと思います。それだけの人数を前にすると緊張しそうなものですが、事前に担当の先生がたから「父兄と教師が語り合い、体験を通じてつながりをつくっていければ充分です」と伺っていたこともあり、私自身、気負うことなくオープンな気持ちで取り組むことができました。
実際に行った実習は、こちらの問いかけに対して用意された選択肢のどれかを選んで意思表明する「フォースド・チョイス」と、二重の円をつくって内側の円の人と外側の円の人が向かい合い、それぞれペアでテーマについて話し合う「同心円実習」の2つ。同心円実習では体育館だからこそできた大きな二重円で、テーマごとに移動してパートナーを変えながら、自分の考えや思いをそれぞれに語り合っていただきました。
一つの話し合いを終えるたびに、「いかがでしたか?」と何人かの父兄の方々にインタビューしたところ、「小牧に引っ越してまだ1年なので、初めて会う方とお話できてよかったです」という方や、「偶然、子どもが同じ幼稚園だった方と話すことができ、久しぶりに話が盛り上がりました」という方など、みなさまそれぞれに毎回異なるつながりを見出せた様子で、会場はホットな雰囲気に。結構、多く参加してくださっていたおとうさまたちも、初対面のおかあさまたちに向けて、明るく持論を語る様子が楽し気に見えました。
そして、4月から入学する生徒の父兄の方々を前に、同心円の中に加わって会話を繰り広げていた先生がたは、少し緊張気味の若手の先生からジェスチャー豊かなベテランの先生まで、こちらの様子もさまざまでした。先生にとっても、新入学の父兄と気軽に語り合える貴重な機会になったようです。
入学後、生徒が体験する学習方法を、新入学説明会で父兄の皆様に体験していただいたことは、子どもの成長や教育を考える上での安心材料のひとつになったのではないかと思います。応時中学校には、体験学習を通じてつながりをつくり出す風土があり、多様な先生がたが多様な生徒たちを受けとめる体制ができていることを感じていただけたのではないかと思うからです。
ファシリテーターを務めた私にとっても、良い体験になりました。
応時中学校の皆様、ありがとうございます!