今はまだ

 朝日が昇るから起きるんじゃなくて
 目覚めるときだから旅をする
 教えられるものに別れを告げて
 届かないものを身近に感じて

 

 スイッチを入れると流れたくる音は拓郎でした。
 あれは高校生のときだっただろうか、彼の歌に引かれ、カセットテープに録音し、楽曲集を買い、ギターのコードを覚え、歌う。
 拓郎の歌が日常にありました。

 

 あれから何十年も過ぎた。
 今、何十年ぶりかに拓郎の歌を耳にする。
 あの時と違う、あの頃とは異なる歌、歌の意味、歌の重さ。
 なぜか涙が出てきてしまいました。

 

 超えていけ そこを
 超えていけ それを

 

 今、語れるものがあるか、だれか語れる人がいるか、どう語るか。

 

 今はまだ 人生を語れず。