ねんざ その2
でも、フランクルは「精神の抵抗力」といっています。
ヴィクトル E.フランクルは、第2次大戦時にナチス軍の捕虜となり、強制収容所に収容され、乏しい食料ときびしい労働に耐えながらも、ともに囚人として収容されている人たちを観察しました。ある人はガス室に連れて行かれ、ある人は絶望でうちひしがれる。そんななかでフランクルは、過酷な状況のなかにあっても希望を見出している人、見出そうとしている人を見続けました。
「人生はどんな状況でも意味がある」
奇跡的に生還を果たしたフランクルは、後に出版された「夜と霧」で述べています。
ねんざごときで強制収容所の極限の生活と比べるのは、まったくフランクルや当時囚人として扱われた人たちには大変申し訳ないのですが、私のような小さい人間にしてみれば見えるものを見えなくしてしまうという点で同じのように感じます。ただ、見えるものを見えなくしているのか、見えるのに見ないようにしているのかと問われると、それは定かではない。
見るのも自分、見ないようにしているのも自分、見えなくしていると感じるのも自分。そう思うと、ねんざも悪くはなかったな、と1か月という時間を費やして行きつく自分がいます。
「人生に耐える唯一の方法は、なんらかの課題をいつもかかえておくことだ(ハーヴェイ カッシング)」