美女が吸血鬼ドラキュラに血を吸われると、苦しむどころかうっとりと気を失っていくように見えます。あれはたぶん、血を吸われることで陶酔感になっていくのだろうと思います。

 ちょうどその頃イギリスにいたせいで狂牛病の影響で献血できない時期もありましたが、今はそれも“解禁”となり、献血をし始めています。社会貢献、といってはえらそうですが、ほとんど“売血”の域になっています。以前、栄にある献血センターに行っていたころは、看護師さんとなかよくなって、その頃はまだ院生だったこともあり、献血最中に本を読んでいた私を見た彼女が、将来は臨床心理士の資格をとってセラピストになりたい、どうしたらなれるだろうか、などというような話をしたこともありました。彼女は今はセラピストになっているだろうか。

 近頃は名古屋駅の献血センターに行きます。大名古屋ビルヂングが解体されることになり、そこにあった献血センターはJRセントラルタワーに移転しました。

先日、血圧を測っていると、南米に滞在した人は申告するように告知されていました。シャーガス病のチェックが必要とのことです。シャーガス病は人の耳の中に卵を産み、その卵が孵って脳みそを食べてしまう、という日本ではなじみの薄い病気です。自己申告すると、担当医にいろいろと質問されました。ブラジルに住んでいたことやブラジルでの仕事のこと、帰国してから何年経っているか、など聞かれました。帰国してから数年は経っているので、潜伏期間が長いとしてもこれまでに採血された血はどうなっちゃうんだろうと思いましたが、脳みそはみそ化していますが脳みそは食われていないようなのでオーケーが出ました。

 聞くところによると、看護学校などでの注射の授業は1回しかないそうです。真偽は由子さんに聞かないとわかりません。以前は看護学生同士で注射の練習をしていた、などと聞いたことがありますが、最近は人形を使って練習しているとも聞きます。採血センターの人には申し訳ないですが、年配の人だからといって注射を打つのがうまいとは限らないように思います。若い看護師さんでも、あれ?いつ針を入れたの?と思うほどの人がいます。逆に一回針を入れたけれどうまく血管に入らずに、注射器を何回も押したり引いたりする人もいます。血管という管になるべく平行に近い線で入れる、刺しすぎると血管を通り越してしまう、さりとて浅すぎると血管まで届かない、となるとこれは職人技です。

 いつも成分献血なので、採血には40分ほどかかります。その間、テレビやビデオを見る人もいますが、私は本を読みます。ですが、ほとんど眠りにつきます。でも、それが“吸血”のせいなのか、“本”のせいなのかは定かではありません。

 採血が終わると、水分をたくさんとってください、といわれ、自動販売機でいろいろな飲み物を飲みます(無料です)。そして、キャラメル味のバームクーヘンと豆菓子とビスコを食べます。

20階からの眺めは箱庭を見ているようです。大阪方面に向かう新幹線は庄内川を越え、清州あたりを抜け、太陽の光を反射させながら木曽川なのか長良川なのか、その辺りまでは目で追うことができます。御嶽山は見えませんが、伊吹山は絶好のポジションです。伊吹山もこれからは白くなっていくことでしょう。

ちなみに採血から1週間ほど経つと、γ-GTPとか血液の成分の検査結果が送られてきます。今回はコレステロールが正常域より高かった。今度献血に行く日の前日は節食しよっと。