プロセス論
今年度も津村先生のプロセス論に出させていただいています。
「人間関係プロセス論」という科目名ですが、実際に学生さんが取り組んでいるのは「ファシリテーター・トレーニング」です。学生さんが交代でファシリテーター役となり、与えられたひとつの課題についてグループの中でファシリテートする、話し合いの時間が終わった後にメンバーからフィードバックをもらう、そういった構造です。
履修する学生は2年生以上で、すでに1年次に「人間関係概論」を履修し、ラボラトリー方式の体験学習を体験している人がほとんどです。ですから、コンテントとプロセスの概念的な理解も、体験もしています。その学生さんたちがファシリテーターを体験する、実践的な、というか日常に活かせる内容になっているのがミソといえます。
学生さんは戸惑いを見せたり、むずかしさを訴えます。それは、ここで扱うファシリテーションがリーダー役や司会役という役割ではないという認識がある、それではファシリテーターは何を観、いつ、だれに、どのようにかかわるか、それを模索し、行動に移す(あるいは移さない)、それでも絶えることなくグループのプロセスは動いていく、その渦中にどっぷり浸からざるを得ない状況にもがいているようにも見えます。
学生さんたちはプロセスを観ようと懸命です。でも、なぜプロセスを観るのか。なぜプロセスを意識したファシリテーションをここで学ぼうとしているのか、この授業でなにを学び、どう日常に活かすことを期待されているのか。
ただ方法や技術としてのファシリテーションを学ぶ場ではない、私はそう確信しています。ここで学ぶファシリテーションのその基底にあるものはなにか、私たちがプロセスを扱い、そこにかかわることにはどういう意味があるのか。そのこともともに考え、ともに行動にし、ともに成長していく、そんな場にしていければ、と思っています。