郵便局

 ある日、郵便局で簡易書留を出しに行ったとき、驚いたことがあります。
 「簡易書留でお願いします」
 そういうと、そこの局員は簡易書留の記入用紙を差し出しました。そのことに驚きました。私がいつも使うT郵便局では、局員が記入用紙を書きます。
 “たぶん今、忙しいのだろう”と記入し始めると、その局員は私が書き終わるのをただ漫然と見ています。そのことにさらに驚きました。おそらくT郵便局以外はどこの郵便局も客が記入用紙を書くことになっていて、T郵便局が特別なのだとわかりました。
 最近ではスキャナーを使って郵送先と差出人を打ち出す郵便局もあります。確かに記入用紙に記入する手間が省けますが、これの感度が悪い。私の場合、その控えをつけて郵送費を請求するため、いくらなんでも名前が欠けていたり、不鮮明なままのものを先方に送るわけにはいきません。それで局員に上書きするように頼みます。結局、時間がかかります。
 おそらく郵便局としては効率性を求めてこうしたシステムを導入したのでしょう。しかし、私にはそれが郵便局のための改善であって顧客のためのものではないような気がします。
 今日、T郵便局にブラジルの知人に送る絵葉書を出しに行きました。
 「さくらの切手を貼ってお出ししましょうか」
 私は日にちをずらしてでもT郵便局を使うようにしています。