ぶんちゃんだ~

 「ぶんちゃんだ~」
 「???。 それ、どういう意味?」と、それを言った彼にたずねました。
 聞くと、「どうにでもなれ」、「どうにもならない」、「お手上げだ」といったニュアンスの名古屋弁ということです。思うに、星一徹がちゃぶ台をひっくり返すときの心情のような気がします。
 「おっ、やっとかめ!」
 高校に入り、初めてできた友だちに翌日声をかけられました。両親が岐阜出身の私はその意味がわかりませんでした。
 八十日目でやっとかめ、久しぶりの意。八百屋、八百八町、八百万の神ということばからすれば、やっとかめということばの意味は歴史を感じさせます。
 そんなことを思うと、「たわけ」も「田分け」ですし、名古屋弁(といっていいのか)のおもしろさが伝わってきます。
 ただ思うのは、出た織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康(は岡崎ですが)はこのあたりの出であり、彼らや多くのその家来は近江や大坂、江戸に住み着いたのに、こうしたことばはその地に定着することはなかった。それはなぜなんでしょう?
 「ぶんちゃんだ~」は、名古屋弁の辞書を調べても載っていませんでした。ちなみに「たわけ」は名古屋では「た~け」です。