チーム‟観断”(?)コンサルティング

 歯医者は苦手です。それでもなにか不具合を感じると重い腰を上げて行かなければならないときがある。
 歯医者が苦手なのは年齢にたがわずだろうけれど、たぶん子どものときと今は違うように思います。子どもの頃はあの音と歯にしみる痛さとそこから逃げようにも逃げられない体勢で感じる恐怖からだったのではないか、と思います。大人になった今はというと、これはまた別の苦手な点、というよりはむしろその診断からくる小さな怖さがあるような気がします。それは久々に歯医者に行くとまず行われるピンセットのようなもので一本一本の歯茎のチェックをされるところから始まります。チェックされた歯茎は日頃丁寧に歯磨きをしているつもりであるのにその診断は歯茎が下がってきている、イコール放っておくと歯が抜ける、イコール歯なしになる。歯茎は再生されず、もとには戻らないとは言われないけれどそう宣告されていると思うことに対する恐怖です。診断は怖い。
 チーム診断コンサルティングが始まって今日で4日目。2チームが互いに診断しあいます。ひとつはTOBI(Team Orientation and Behavior Inventory) というインストルメントを使ってアセスメントをしました。ひとつは相手チームのワークへの取り組みを観察(オブザーブ)をしました。もうひとつは個別にインタビューをしました。こうしてデータを収集、分析し、診断をする、という流れです。
 診断の結果はクライエント・チームにプレゼンテーションをします。ただ、ここでの“診断結果の報告”は病んでいるところを指摘したり、病名をつけたりすることではなく、むしろクライエント・チームの強みであったり、潜在性(力)であったり、その持っているものをさらにより高めていくための外部だからこそ見え、語れることをプレゼンします。“診断”ということばが医師が下すそれのような意味合いというよりは、クライエント・チームがチームの互いのメンバーを認め、受け容れ、活かしあい、メンバーもチームもともに成長していく、その意味では“診断”というよりは“観断”といったほうがいいように思います。
 今日は4日目。互いのチームが“観断”をした上でクライエント・チームのために作成したプログラムを実践し、ファシリテートするところまで来ています。