自問自答

 私は、T看護学校の2年生を対象に人間関係論の授業を2月に行なっている。非常勤講師を始めた頃は、1年生だけであったが、昨年から2年生も担当することになった。

 昨年は、2年生の授業を9月に行なったが、臨地実習が終わり3年生になる前のこの時期のほうが学生さんには学びが深いのではということで今年から2月に実施することにした。2年生は、コミュニケーションを中心とした実習を行ない、その中で患者との看護場面を想定したロールプレイを行なっている。ロールプレイは、ともするとリアルなだけに心理面での配慮を十分したうえで行なうべきもので安易にできるものではない。しかし、臨地実習に出た後ということもあり、実習中の様々な体験を基に考えさせられるやり取りがあった。昨年よりも学生さんからの質問が多く、真剣に取り組んでいる様子が伺えた。

 

 看護学生のなかには、臨地実習に行き患者との人間関係が構築できず苦労している学生もある。学校の中で、知識や技術を学んでいるうちはいいのだが、患者と接することがいかに難しいかを臨地実習に行き直面するのである。

 看護は、知識や技術とともに人と人の信頼関係がなければ、発揮できないものである。そして、看護する者の人なりが、問われることにもなる。

 私が最近特に気をつけていることは、自分の行なっている行為が「患者の望むこと」なのか「自分が望む」ことなのかをよくよく考えることである。「患者の為」と言いながら自分の価値観を押し付けてはいないだろうかとふりかえり自問自答しているのである。