きいてる?
この7月は職場のみならず、あちこちの現場で体験学習のファシリテーターをしています。慣れない場所ではとても疲れます。以前、脳科学者の茂木健一郎氏が何かのテレビで「自分をアウェーな場に置くことが脳にはとてもいい」と話していましたが、まさに今脳にいいことをしているなと感じる日々です。
ある専門学校では、とても元気な学生さんたちがいます。元気なのはいいのですが、実におしゃべりが多い。なにかするたびにおしゃべりを始めます。おそらくそれは授業とは関係のないことのようです。そういう関係ないおしゃべりがグループの雰囲気をよくしていたり、互いに仲良くなったりするのかもしれないので、一概にダメとは言いきれませんが、まじめにやろうとしている学生さんのことを思えば、「静かにしてね」と何度も言わなくてはいけない。いずれにしても実に心苦しいです。「しゃべるな!」とか「静かにしろ!」ときつい口調で注意したり、ちゃんと前を向かせて聞く態勢をとればいいのかもしれないですが、それをしてしまうのは、なんか違う気がする。とても迷うところです。
しかし、よく見ていると私の話だけを聞いていないのではなく、グループの仲間の話を聞いているのかな?と思う場面があります。目の前にいる相手が話しているのに目を合わさず自分の髪の毛の枝毛を探しているとか、まだしゃべっている人がいるのにかぶせるように自分の話をするとか…自分がしていることが相手にどんな影響を及ぼしているのか分かっているのかな?相手の話も音声では聞こえているのでしょうが、本当に「きく」とか「きいてもらう」ということの経験は少ないのかな?と思います。なんとか気づいてもらえないかと私が見ていたことをフィードバックしてみたりしますが、なんとなく注意したように受け取られただろうかと考えたり…試行錯誤をしています。
つい先日、ホームである専門学校で授業をしていたら、びっくりするくらい静かで学生の反応がありません。「私は人に向かって話していると思えないんだけど、聞いてる?」と思わず聞いてしまいました。少しぐらいおしゃべりしてくれてた方がまだいいかなと思ったりして…