ひらかれた言葉
ISO26000の勉強会で、環境の課題について話していたときに「地球温暖化」という言葉を使ったら、多文化共生のNPOの人が「日本ではそう言うけど、海外では『気候変動』と言ってるよ。温暖化は問題だけど、冷たくなるのも問題だし、ハリケーンとか、干ばつとか、異常気象や気候が変化すること自体が問題だから」とコメントして、「なるほど」と思いました。
それから少しして、彼は思い出したように「少子高齢化というのも日本の表現で、世界では『人口変動』って言う。少子高齢化だけでなく、今も出生率の高い国があるし、移住者や移民、難民の問題も深刻だから」と言って、「へぇー、そういうものなのか」と感心しました。「気候変動」に関しては、そういうこともあるだろうと思っていましたが、「人口変動」に関しては、全く意識になかったからです。
しかし、実際は日本国内も外国人比率が高まっており、街なかですれ違う人や電車の中で同席する人の言葉が日本語ではなく、外国語であることがよくあります。コンビニや飲食店、工場で外国人の労働力への依存度が高まっていることも周知の事実です。そう考えると、「人口変動」は確かに少子高齢化の問題だけではなく、日本でも人口構成が年齢・国籍・言語など、さまざまな見地から変わってきているのだと言えるでしょう。
自分では閉じた言葉の使い方をしているつもりはありませんでしたが、グローバルに世界を見渡してみると、実は日本国内のジャーナリズムに植え付けられた言葉を使っていたのだと思いました。ひらかれた視野を持ち、ひらかれた言葉を使いたいものです。