チーム・ファシリテーション第4回を終えて
土曜日はJIEL公開講座「チーム・ファシリテーション」です。6回シリーズの講座で結構長いと思っていたら、もう4回目を数え、残りはあと2回。とうとうグループメンバーと「あっという間に終っちゃうねー」と言い合う時期になりました。
今回の実習はラストの部分が省かれた小説を題材にしたケース討議で、チームごとに話し合って、自分たちが考えるラストの場面を明らかにし、そのときの登場人物の気持ちや行動を推定することが課題でした。
ドラマティックな小説が題材だったこともあるし、主人公の立場になってラストを考えてみるという個人作業からスタートしたため、メンバーそれぞれに持論が生まれ、話し合いは白熱。が、講座の4回目を迎えただけあって、ファシリテーター役の方も、メンバーも時間管理への気づかいがあり、自分の意見は主張しながらも、何と最後には合意のうえで、グループの結論を導くことができました。細部を振り返ってみれば、もちろん反省点もありますが、結論を出せたことにはメンバー全員、満足でした。
そして、ファシリテーター役を務めた方が話し合いの途中、発言数が少なくなったあるメンバーに「今、自分の世界に入ってない?」とさりげなく介入したシーンが印象的でした。言われたメンバーは「えっ、あー、ちょっと入った」とハッとした後、笑って答え、ファシリテーターというより、ごく自然なメンバーシップを感じさせる介入でいいな、と私は好感をもちました。ファシリテーター役の方は、メンバー一人ひとりの表情をなるべく見るようにしていて、介入のタイミングに出会ったとのこと。やっぱり観察が大切なんですね。
いかに話しやすく、課題達成への意欲を持続できるチームの風土をつくるか。
それを体験学習を実際にやりながら考えていくと、ファシリテーターの介入は指示的である必要もなければ、情報や知見に満ちている必要もなく、むしろ、他のメンバーと対等なポジションで純粋に問いかけたり、承認したり、同意していく態度のほうが、望ましいチームの風土は生まれやすいように感じます。
ファシリテーターがメンバーでもあるという、この「チーム・ファシリテーション」の設定は、現実の仕事場面に近いだけに、講座の中で感じること、気づくことは自分自身のさまざまな経験と結びついて腑に落ちていきます。
来週はいよいよ、私がファシリテーター役。さて、どんなチーム体験ができるでしょうか。