「学びの祈願祭」、そして「学びの収穫祭」へ
ブラジルに住んでいたとき、驚いたことがいろいろあります。そのひとつが「バチーダ・デ・マラクジャ」。バチーダはカクテル。マラクジャはパッションフルーツ。バチーダ・デ・マラクジャは、カシャーサというブラジルの焼酎のような酒をベースにし、パッションフルーツで割ったカクテルです。それまでに飲んだことがない新鮮な味でした。
日本のホームセンターでマラクジャの苗を見つけ、買ってきて植えました。驚いたのは、植えてまもなく枝はぐんぐん伸び、葉はあちこちに広がり、家の軒を占領するほどの成長ぶりです。ところが楽しみにしていた実はひとつもなりませんでした。「肥料がたりないね」という人もいれば、「もうひとつ苗を植えて受粉させなくちゃいけなかったよ」という人もいます。「南の国の植物だから、冬は家の中にいれたほうがいいよ」と植木屋さんにいわれましたが、なんとか冬を越せるだろうと高をくくっていたところ、葉は黄土色でかさかさになり、落ちてしまうようになりました。やむをえず春先に根から抜いてしまいました。バチーダ・デ・マラクジャの夢はついえた。
4月23日から26日まで清里の清泉寮で「JIEL 春まつり:学びの祈願祭」が行われました。「さまざまなファシリテーションにふれる」という副題のとおり、ぎっしりと詰め込まれた内容でした。マインドマップ、インタープリテーション、セルフ・サイエンス、POPO、グループの成長のための診断と働きかけ、ナイトハイク、毎夜のラーニング・バー、・・・。参加された人のアンケートを読むと、もう少しゆったりしたほうがよい、といった声も聞こえるくらいです。
私自身も(その他の原因もあって(笑))寝不足の日が続きましたが、そこそこよかったのではないか、と思っています。手前味噌のように聞こえるかもしれませんが、その理由はこうです。今回のそれぞれの内容はそれを完遂するには不十分かもしれないけれど、さまざまな内容の核やベースとなるところ、その入り口を体験することができた。参加された人たちはそれぞれの関心領域があり、持ち味がある。それぞれの人がそれぞれの苗を見つけ、それを日常や現場で育てていくそのきっかけになったのではないか、と思うからです。そして、それぞれの人が持ち帰る苗に必要となる、あるいはさらに成長させてくれる肥料や水や日の光となる仲間ができた、と思ったからです。
11月に「JIEL 秋祭り:学びの収穫祭」が行われます。どんな実が収穫され、どんな話を聞くことができるか、ともに種を、苗を植えた仲間の再会が楽しみです。
ホームセンターでミニ・トマトの苗を見つけ、買ってきて植えました、清泉寮のミニ・トマトが甘く、おいしかったので。