浜野矩隨とムヒカがやってきた
「あれ?これ、前に聞いたことあるな」
それほど知っているわけでもない私が一番好きな噺家である古今亭志ん朝さんの「浜野矩隨」を聞いていたとき、口から出てきました。それ程度ですので落語そのものを語ることはできそうにない私ですが、今回「浜野矩隨」を聞いたときに、前回聞いたのとは異なる、なにやら沁み入るものがありました。
年月をおいて改めて接してみると、違うことが入ってくる。落語に限らず、昔読んだ本を時を経てその本に再び出会い、読んでみると、違うことが湧きでてくる。
その時に必要なことがやってくるような気がします。落語や本は、以前聞いたり読んだりしたものだったけれど、なぜか観ているテレビのドラマの登場人物がつぶやいたことばのひとつが、今の自分に与えられるために出現したものであるかのように感じることがあります。
ウルグアイの元大統領のホセ・ムヒカさんが来日します。就任当時、世界一貧しい大統領として有名になったばかりでなく、2012年のリオ会議(環境の未来を全世界で決めて行く会議)でのスピーチは世界に向けて私たちの今のありようを問いかけました(https://www.youtube.com/watch?v=jwbaoi6a4BU)。
もちろん、ムヒカさんは私が引き寄せたから日本に来るわけではありません。ただ、この世に起こるすべての事象(といってもいいと思うのですが)は、意味があり、つながりがある、と思います。言い方を変えれば、そこで起こっていることをどう意味づけるかがとても大切なことのような気がします。
なぜ「浜野矩隨」を2回聞くことになったのか、ムヒカさんはなぜ日本に来るのか、今日なぜなすことがうまくいかなかったのか、なぜそうすることに駆り立てられたのか、・・・。
「天が下のすべてのことには季節があり、すべてのことには時がある」(「旧約聖書」伝道の書 第三章より)