和菓子づくり
和菓子づくりをしました。
お茶席には必ず菓子がつきものです。茶道の世界を知らない私にとっては、なぜお茶に菓子が必要なのかはわからないのですが、抹茶を嗜むときに少し甘いものを口に入れると、またお茶の味が引き立つということがあるのではないか、と思います。
もともと“道”がつくものには関心があったのですが、なかなか本腰でその世界に入っていけないでいます。“茶の湯”と“茶道”は別物と思っていて、“道”がつくことでその世界はただお茶を嗜むことだけが目指すところではない、と勝手に決めつけています。そして、お茶をいただく前に口に入る菓子もなんらかの意味がある、と思っています。
和菓子づくりは和菓子教室のなかで行われたので、まず教わったのは菓子の歴史からでした。菓子の“か”は“?(くさかんむり)”に“果”と書くように、初めは山野に自生するやまももや柿や桃、梅などの果物を食するのが起源だったそうです。その後、唐の国からもち米や大豆や小豆などを使った唐菓子(からくだもの)が入ってきて、日本で独自の発展をしてきた、ということのようです。
今回つくった和菓子は、主菓子の“錦秋”、“栗きんとん”、干菓子の“吹き寄せ”です。なんとも季節にあった名前であり、季節に合わせた色を添えた和菓子です。日本人が自然のなかで生活し、四季折々を生活に織り込み、その時その時を楽しむその時間と空間をとても大切にしてきていることを感じます。
お茶を嗜む前に菓子をいただくのは、あの抹茶のほろ苦さを際立たせるばかりでないだろうと思います。私たちが今いるこの季節を目で感じ、舌で味わい、自分自身の今に問いかける、そして抹茶を啜ることで自分の今を飲みこむことにあるのではないかな、と思いました。
和菓子づくりを終え、教室を出ると、台風は去り、秋がやってきていました。秋といっしょに歩いて帰途につきました。