インド

 今週は、ひどい週でした。

 たぶん、生卵のせいだと思います。翌日からお腹を苦しめます。熱は出ないし、下痢でもないが、苦しい。インドを思いだしました。

 インドを旅したのは、もう十年以上前です。インドは衝撃的な国でした、異文化ということだけでなく。ブラジルでの生活もカルチャーショックを受けましたが、旅人としてさまよったインドは短い期間でもカルチャーショックを受けます。

 事前に情報はありましたが、着いたころは特に気に留めることなく生水を飲んでいました。ところがある日突然、便意です。日本のように公衆トイレがここそこにあるわけではありません。なんとか済ましますが、便意が周期的に2日は続く。

トイレはもちろん、紙はありません。トイレには空き缶と水道の蛇口があります。空き缶に水を入れ、左手でお尻を拭きます。右手はカレーを食べる手なので、この時には使いません(左利きの人は、そういえば見たことがなかった)。考えてみれば、手動式ウォッシュレット(商品名!)で、実はこちらのほうが衛生的と聞いたこともあります。

人は学習します。その後はペットボトルの水と一巻のトイレットペーパーを必ず持ち歩くことにします。でも、ペットボトルも時々怪しいものがあるので、買うときに確かめる必要があります。

別の日。その日はあまりに暑く、路上で売っているかき氷を買いました。そして一口食べて、しまった!と思ったが、もう遅い。これでまた2日間の苦しみです。

 

インドは逆三角形の国です。南の突端は、3つの海に接しています。ベンガル海、アラビア海、そしてインド洋です。インドに来たとき、ぜひここは行きたいと思っていました。その突端の浜辺でひとり感慨にふけっていました。

すると一人の若者が海に向かって歩いていきます。すわっ、自殺か?と思いました。3つの大海が交わるところでの自殺?若者はほどなく腰巻をくくり上げ、ひざまずきました。少しの静寂。その後、左手で海水を汲んでお尻を洗い、なにごともなかったかのように立ち上がり、腰巻を下げ、陸へ向かって歩き始め、去っていきました。残ったのは、3つの大海と再びの静寂、そして私。

 

日本に戻り、某日某夜。河川敷をジョギングしているときに便意が。あの光景が誘い、私は川のなかへ。そしてパンツを下しました。空には月夜。3つの大海はありませんが、その空気は感じます。ただ、なにを目当てか、さかなが尻をつつくのには困った。