潔さ
民主党が子ども手当てをつくり、まもなく支給され始めようとしています。野党からはばらまきだという声も聞こえてきますが、どうも腑に落ちません。これまで自民党だって地域振興券だとか定額給付金とかやってきました。公明党の強い押しがあったとしても、政権与党だった自民党が最終的に下した政策です。それがどのような効果をもたらしたかを検証したという話を聞いたことがありません。私個人の感覚では、景気が浮揚した、地域が活性したという気がしません。
政治家は国の未来を見据えて、今の政策を立案し、実行する、それが役割ではないかと思います。その政策が失敗し、効果がなかったり低かったりしたならば、その問題を追及し、修正を加えるなどして国を進むべき軌道に乗せる、それが役割なのではないでしょうか。失敗したとするならば、失敗したことを認め、受け入れる、国民に向かって説明する、場合によっては詫びる、その潔さが大切のような気がします。一つひとつのことにけりをつける、清算をするからこそ、それを踏まえてそこから新たに始められることがある。
おそらく政治家連中は、政策は失敗だったなどとは言わないでしょう。それは自分に非があったことを認めることになります。政治家失格のレッテルを貼られます。でも、そのリスクを承知のうえで政治家の道を選んだわけです。
政治家を一方的に非難しているのではありません。
私だって自分の都合が悪くなると、ごまかしたり黙り込んだりするという手段を取ります。自分は悪くない、という思いがあったり、そうはいっても自分は精一杯やったんだとか、ここから消えてなくなりたい、といった気持ちも湧いてきます。
潔さ。
そこであいまいにしたままで続くその後の関係性を思うと、やはりその時、他の人に対して、そして自分自身に対しても一度清算する、そのことが大事のように思います。