新潟空港
「明日、仕事で名古屋に行くから、夜でも会わないか」
新潟の友だちから昨日、電話がかかってきました。
彼は大学時代に知り合った仲です。彼の下宿先の別の部屋が空いたので誘ってくれ、半ば兄弟のように過ごしました。開くと同時に一番乗りした銭湯。冬はいっしょにつくった鍋をつついたり、小さな飲み屋で酒をちびちびやったり。彼と私が違うのは、彼は異常なほどまじめで勉強好きだったこと、私は異常に酒好きで勉強嫌いだったことです。彼は大学3年のときに公認会計士試験に合格、卒業後しばらくして新潟に、私は名古屋に戻りました。
年賀状であいさつはしていましたが、互いのやりとりはありませんでした。電話の彼はどうもインターネットで私を検索し、おそるおそる電話をしてきたようです。
受話器を置くと、彼との歴史がよみがえってきます。明日あったらあの話をしよう、あいつどうしてるかな、そんな共通の友だちのことも話題にしよう。そうだ、名古屋の土産をもたせてやろう。
今日の朝、彼から電話が入りました。
「新潟空港が雪で閉鎖になった。それじゃあ、またの機会に」
そうであっても、なんだかほんわかした今日の私です。