釣り
昔、知り合いの人に釣りに連れていってもらったことがあります。山のなかの小さな川で、えさのつけ方もわからない私はすべて知り合いに準備してもらいました。
待つこと30分。一向に釣れません。
「これは、非生産的な時間の使い方だなあ…」
飽きてしまい、結局川原の大きな石の上で寝てしまいました。
1週間に一回、一宮にある学校で「コミュニケーション」の講座をもっています。9時から始まるのですが、8時15分前後には学校に着き、それからあてもなく歩き回ります。学校の近くには池があり、そこではこの寒いのに何人もの釣り人が糸を垂らしています。
「釣れますか?」
「釣れないから、楽しんだよ」
寒いなかを20キロも苦しそうに走っているのを見て、なにが楽しいのか気が知れないと思う人もいる。でも、本人にしてみれば、ただ走っているその瞬間瞬間が苦しいのと同時に楽しい。そういえば、以前山に登っていた頃もその一歩一歩の歩みのつながりがあるからこその楽しいだった。
釣れたら、楽しい。釣れなくても、楽しい。