社会福祉法人昭徳会 初年次研修(①1年目・②2年目・③3年目)

テーマ
社会人としてのコミュニケーション ①受容と共感 ②私を活かす自己表現 ③言葉による支えあい
実施日
①2021年12月15日/②11月26日/③9月24日
概要
 入職後1~3年次の職員を対象に、年次ごとに多職種で「社会人としてのコミュニケーション」というテーマのもと、ラボラトリー方式の体験学習の方法をベースに、マーシャル・ローゼンバーグのNVC(非暴力コミュニケーション)を学び合う研修を行った。
 年次ごとの経験と発達に応じて、1年目は「受容と共感」というサブタイトルで他者の語りを感情とニーズに着目して傾聴する取り組みを行い、2年目は「私を活かす自己表現」をサブタイトルとして感情とニーズに着目した応答・話し合いができることをめざした。3年目は「言葉による支え合い」をサブタイトルとして、感情とニーズに着目することで他者との相互支援を可能にする取り組みにチャレンジした。
 言葉が変わることで物事の捉え方が変わり、その場での語りや出来事への対応方法も変わることが、受講者の発言からよくわかった。その変化は、職員同士のかかわりや施設利用者、ご家族とのかかわり方、人間関係まで変えていく力があると思われる。
派遣研究員
水野節子  鈴木由子

高齢者、障害者、児童の各分野で福祉施設を包括的に展開する法人の入職1~3年目の職員を対象に、初年次研修を行った。全年次の共通テーマは「社会人としてのコミュニケーション」であったが、一般常識のようなコミュニケーションの心得ではなく、互いの関係性やモノの見方・価値観にしなやかさを与え、レジリエンスのある対人援助職の育成をめざして、プログラム設計を行った。

具体的には、ラボラトリー方式の体験学習による学び方をベースに、マーシャル・ローゼンバーグのNVC(非暴力コミュニケーション)を学び合うプログラムを展開し、年次ごとにキャリアを重ねるほど、相互作用の大きいスキルを習得できるように内容を構成した。

入職1年目の職員研修は「受容と共感」というサブタイトルで、各自が語る自身の感情が動いた体験をグループで聴き、ニーズを探るエクササイズを午前中に行い、午後はペアを組んでお互いの語りを感情とニーズに着目して傾聴する取り組みを行った。共感とはどういうことかが体得でき、研修終了時には、受講者それぞれの語る言葉が変わり、仕事への思いも深まった研修であった。

入職2年目の職員研修は「私を活かす自己表現」というサブタイトルで、自身が日常で抱く感情に注目し、その感情を抱くときの状況や思いを語り、ニーズを探るエクササイズを午前中に行った。午後は同じ状況にいながら異なる背景を持った人々がそれぞれ異なる感情のもとで行動する一つの事例を共有し、グループごとに登場人物を検討し話し合う合意形成のエクササイズを行った。コミュニケーションのあり方で、お互いの距離が変わることが体験できた研修であった。

入職3年目の職員研修は「言葉による支え合い」というサブタイトルで、午前中は各自の話し方、聴き方をオブザーバーを交えて検討し合うエクササイズを行い、午後は感情とニーズに着目して共感的なコーチングを相互に行った。対人支援を行う職員が多数を占めるなかで、事務や調理に従事する職員もいたが、職種の垣根を越えて語り合う様子から、言葉を通じて相互理解や共感を重ねるとつながりが生まれる実感ができた研修であった。

このような研修によって、初年次の職員にNVC(非暴力コミュニケーション)の素養をつけていくことは、相互のつながりを築き、離職率低減に役立つだけでなく、やがて法人全体の風土をしなやかに変容させる起点になるのではないかと考えられる。