名古屋市緑生涯学習センター<女性セミナー>

テーマ
私らしさを大切に ―家庭や職場で生かす「アサーティブ・コミュニケーション」―
実施日
2021年2月26日 10:00~12:00
概要
この<女性セミナー>は7回シリーズの講座であり、本講座はその6回目に「私らしさ」を表現するための具体的な方法を学ぶ講座として行った。私らしさを形づくる自らの思考や感情を可視化・可聴化するコミュニケーションについて、まずは3種のコミュニケーション・パターンを学び、その後、アサーティブなコミュニケーションの方法として、マーシャル・B・ローゼンバーグのNVC(Nonviolent Communication)を紹介し、NVCの考え方に基づいて感情やその源にあるニーズに気づく大切さを学び合った。
派遣研究員
水野節子

 女性の生き方を支援するシリーズ講座<女性セミナー>において、自分らしく家族や職場の方々とかかわっていけるように、自他尊重を体現するアサーティブ・コミュニケーションを紹介し、それを実践するための方法としてNVCの考え方をお伝えした。

 まず、コミュニケーションをはじめとした行動は他者と共有できる現実であるものの、思考や感情、価値観、ニーズは人間の内面のものであり、表現しなければ他者にはわからないことを伝えた。その上で、人間のコミュニケーションには3種のパターンがあることを解説し、ワークシートを用いて理解を深めた。それにより、コミュニケーションのパターンに対するお互いの感じ方の違いがわかり、アサーティブなコミュニケーションへの理解も深まっていった。

 さらに、自分の思いを正直に、他者に伝わるように話す方法として、「私」を主語にした「アイ(I)メッセージ」で話す方法を紹介した。「アイメッセージ」で話すことで、一般論ではない自分の気持ちや意見を伝えやすくなる。

 また、自分や他者の感情やニーズ(必要としているもの/大切なもの)に気づくことを「共感」と定義したマーシャル・B・ローゼンバーグのNVCについても紹介した。感情の揺らぎの源にあるニーズに気づくことで、人間は感情に支配されることなく、正直にニーズを満たすためのお願いを言語化できるようになる。お互いのニーズを尊重しあえるアサーティブな関係の質をつくるために、NVCの考え方を取り入れたコミュニケーションが役立つことをお伝えした。

 コロナ禍での講座であるため、体制は間隔をとったスクール形式だったが、NVCの「ニーズリスト」を用いた開始時のチェックイン、終了時のチェックアウトを行い、受講生の声を聴くこともできた。