愛知県社会福祉協議会 平成30年度 社会福祉事業者による苦情解決制度受付担当者研修会

テーマ
「ピンチはチャンス!クレーム対応研修」
実施日
2018年12月5日10:30~16:30
概要
 社会福祉事業者には法令により、苦情受付担当者、苦情管理責任者の配置が定められている。本研修はその苦情受付担当者約200名を対象に行い、クレームを受けたときにどのような対応ができると望ましいのかを講義とワークシートへの取り組み、シナリオづくりなどを通じて学んでいただいた。研究員の水野は、マーシャル・B・ローゼンバーグのNVCの考え方をヒントに「クレーム対応の4step」というクレーム応答法を考案しており、研修ではそれをもとに、参加者のみなさまに事例を提示して、自分ならどう応答するかを実際に考えていただき、ロールプレイを行う時間も設けた。
派遣研究員
水野節子、垣内芳文(JIELヤングフェローズ)

 午前中は「クレームとは何か」についての講義を行った。期待を下回ると起きる不満、期待に反すると起こるクレームは紙一重で事業を続ける限り、なくならない。日常、利用者やご家族から寄せられる不満、クレームの声にいかに応えるかによって、解決困難な苦情を減らせるかどうかが決まる。本研修では、そうした日常の不満、クレームへの望ましい応答方法を学んでいただくことをお伝えした。その上で、これまでに受け付けたクレーム事例を各自に思い出していただき、ペアになって事例を共有し、実際の応答が適切だったかどうかを検討していただくワークを行った。

 午後は研究員の水野が考案した「クレーム対応の4step」というクレーム応答法を紹介し、具体的な事例を挙げてロールプレイも交えて活用方法を説明した。その上で課題となる事例を提示し、参加者を5~6名のグループに分けて望ましい応答のシナリオ作成に取り組んでいただいた。参加者数が多かったため、講師側には心配する気持ちもあったが、参加者は一様に熱心な取り組みぶりで利用者への温かなまなざしが感じられるシナリオがいくつも完成した。いくつかのグループにはロールプレイで発表していただき、笑顔あふれる学びの場となった。

 最後に「クレーム対応の4step」を活用する際の注意点をふりかえり、目に見えず、耳にも聞こえない心の動きや思考はどのような言葉で表現するかによって相手の受けとり方が大きく変わり、お互いの印象や関係も変わっていくことをお伝えして終了した。