「対話型アプローチによるチーム作り その2」の研修報告

テーマ
「問題が問題である。人が問題ではない。」を前提にしたチーム作り
実施日
2023年1月31日(火)9:00~17:00
概要
表題の研修を実施をJIEL研究員の中里さんとともに実施しました。わたしは、補助的な立場でいましたが、2013年より携わってきた病院の研修でしたので、見守りながらその場にいました。 長年、看護師をしていましたので、実践者としてチーム作りの難しさもありつつ、一人では看護の質を上げることはできず、チームで実施するからこそ病棟や外来で看護ケアの充実に取り組んできました。 このように、よりよいチーム作りが看護の質の向上には必須なのです。しかし、現状では、「忙しい」「失敗を恐れる」「コミュニケーションも不足」「看護観などの価値観の違い」などみんなで対話をしながら協働できるチーム作りがなかなかできないと感じている方も多いのではないでしょうか。 今回の研修は、ドナルド・マクミナミンの「2つに島とボート」という修復的実践を取り入れた研修をおこないました。1日の研修でしたので、簡易的なバージョンで実施してもらいました。午前中では、チームや自分たちが抱えている問題と感じていることから始めるワーク①問題に名前をつける②影響を調べる③評価する④評価の正当性を確かめるの4つのうち特に①、②を中心に実施しました。 一例として「忙しすぎる」という問題に対して、「疲れる」「コミュニケーション・エラーがある」「安全でない」「やりたい看護ができない」などホワイトボードに書ききれないほど出し尽くします。出し尽くさないと結局あとから不満が残ることになります。 この時注意することは、「こんなことを出してもいいのだろうか?」「このようなネガティブなことを出した後、困ったことにならないだろうか?」「こんなことを言ったら周りからどう思われるのだろうか?」など躊躇する心が意見を出し惜しみする要因になります。ファシリテーターとしては、ブレインストーミングなどを用いて、意見に批判や評価を交えないなどグランドルールを提示して徹底した心理的安全性を担保することが必要になってきます。 ②の「影響を調べる」については、問題から身体的な「食事充分にとれない」「トイレに行くこともできない」「イライラする」「モチベーションが低下する」「悲しい気持ちになる」などがありました。この時ももうこれ以上考えられない、メンバー全員で出し尽します。
派遣研究員
中里高宏、鈴木由子

表題の研修を実施をJIEL研究員の中里さんとともに実施しました。わたしは、補助的な立場でいましたが、2013年より携わってきた病院の研修でしたので、見守りながらその場にいました。

長年、看護師をしていましたので、実践者としてチーム作りの難しさもありつつ、一人では看護の質を上げることはできず、チームで実施するからこそ病棟や外来で看護ケアの充実に取り組んできました。

このように、よりよいチーム作りが看護の質の向上には必須なのです。しかし、現状では、「忙しい」「失敗を恐れる」「コミュニケーションも不足」「看護観などの価値観の違い」などみんなで対話をしながら協働できるチーム作りがなかなかできないと感じている方も多いのではないでしょうか。

今回の研修は、ドナルド・マクミナミンの「2つに島とボート」という共同的修復的実践を取り入れた研修をおこないました。1日の研修でしたので、簡易的なバージョンで実施してもらいました。午前中では、チームや自分たちが抱えている問題と感じていることから始めるワーク①問題に名前をつける②影響を調べる③評価する④評価の正当性を確かめるの4つのうち特に①、②を中心に実施しました。

また、研修の中では、「問題が問題である。人が問題ではない。」「人を責めない」という実践者としてどのようにチームで関わるかのあり方についてもくりかえり伝えながら実施しました。

一例として「忙しすぎる」という問題に対して、「疲れる」「コミュニケーション・エラーがある」「安全でない」「やりたい看護ができない」などホワイトボードに書ききれないほど出し尽くします。出し尽くさないと結局あとから不満が残ることになります。

この時注意することは、「こんなことを出してもいいのだろうか?」「このようなネガティブなことを出した後、困ったことにならないだろうか?」「こんなことを言ったら周りからどう思われるのだろうか?」など躊躇する心が意見を出し惜しみする要因になります。ファシリテーターとしては、ブレインストーミングなどを用いて、意見に批判や評価を交えないなどグランドルールを提示して徹底した心理的安全性を担保することが必要になってきます。

②の「影響を調べる」については、問題から身体的な「食事充分にとれない」「トイレに行くこともできない」「イライラする」「モチベーションが低下する」「関係が悪くなる」「安全が守れない」などがありました。もうこれ以上考えられないというほど、メンバー全員で出し尽します。

このような修復的実践を行うことにより、各自の抱えている問題を客観的に視覚で確認できること、そして、どのような影響があるのかを身体的、精神的、関係的、スピリチュアル的の4側面で考えることが大切になってきます。このような4側面での影響を考え、しっかり共有することから、目指すチーム作りにリーダーとしてどのように関わる機会となりました。