一宮市立西成小学校 現職教員研修 いじめ防止のピアサポート学習

テーマ
「児童への望ましい声かけとは?」
実施日
2018年6月7日15:00~17:00
概要
 児童のいじめ防止に積極的に取り組む愛知県一宮市。そのなかでも学校づくりの一環としてコミュニケーションを見直そうと考える西成小学校にて、先生がたを対象に「私も、あなたも大切にするコミュニケーション」の方法である「アサーション」を紹介した。自分や他者の感情や必要とすることに気づき、お互いの違いを超えて共感的に理解するために有効なNVC(非暴力コミュニケーション)のカードを用いた演習も行った。
派遣研究員
水野節子

 この研修には、校長先生をはじめ24名の現職教員が参加された。最初の小講義でアサーションの基本的な考え方から言葉の使い方、話し方でお互いの印象のみならず、関係の質が変わることをお伝えした。その後、人間のコミュニケーションのパターンの中から「私もあなたも大切にした応答」を選ぶ事例演習を通じて学び合った。ワークシートを用いた演習では、人それぞれの感じ方の違いが明らかになり、言語表現から受ける印象は多様であることが明らかになった。

 さらに、自分の思いを正直に、相手に伝わるように話す方法として、「私」を主語にした「アイ(I)メッセージ」で話す方法を紹介した。「アイメッセージ」で話すと、自分と他者の区別がつきやすく、自らの正直な思いを伝えやすい上に、相手の批判や評価にはならない表現がしやすい。これは「アイメッセージ」で伝えるために、咄嗟に相手ではなく自分自身の気持ちや必要とすることを見つめる機会が得られるからである。

 このように、自分や他者の感情や必要としているものに気づくことを、マーシャル・B・ローゼンバーグは「共感」と呼んでいる。そんなマーシャルが体系化したコミュニケーションの方法であるNVC(についても紹介し、具体的な個人の事例をもとにそのときのニーズをカードを使って探求するグループ演習も行った。最後に、どのようなコミュニケーションをとるかに自覚的になることにより、お互いの関係の質を深めることも可能なことをお伝えした。