国土交通省大阪航空局中部空港事務所
- テーマ
- 航空管制官のチーム力向上研修(アサーティブ・コミュニケーション)
- 実施日
- 2018年2月21日、22日、3月13日、14日、15日、16日 14:30~17:15
- 概要
- チームで航空管制業務にあたる航空管制官の方を対象に、6回に分けて2時間45分の研修を実施した。空の安全を守るうえで必須である専門知識、技術と使命感を備えた方々に、チーム力をさらに向上させるため「人間関係づくり」と「アサーティブ・コミュニケーション」について体験を通して学んでいただいた。自己表現にかかわるワークシートやケーススタディを用いて、自らのコミュニケーション・スタイルをふりかえり、チームメンバーの思いや考えを聴き合う機会となった。
- 派遣研究員
- 今岡 まゆみ
中部空港事務所航空管制官の方を対象に、1回12名から15名のチーム単位(6チーム)で研修を実施した。チームとして一人ひとりの力を活かしていくため、ソフト面(ヒューマンスキル)の向上を目的に、信頼関係を構築する「人間関係づくり」と相互尊重のコミュニケーションスキルである「アサーティブ・コミュニケーション」を小講義と実習で理解を深めた。
【プログラム】
◇人間関係を観る2つの視点「コンテントとプロセス」を理解する
◇アサーティブ・コミュニケーションを理解する
・アサーティブ・コミュニケーションとは
・自己表現3つのパターン(ワークシートを使って)
・感情の言語化(ワークシートを使って)
・DESCL法(セリフづくりの5要素)
・ケーススタディ(ある場面の上司と部下の思いや背景を両者の視点から探求する)
航空管制業務においては、仕事という「コンテント」に目がいきがちであり、一人ひとりの行動が感情や思考という「プロセス」に影響を受けていることを知り、自らのコミュニケーションに気づきが生まれた方が少なくなかった。実習を通して、人の感じ方、受け取り方には様々あることや、相手の思いを「聴く」ことの大切さ、自分自身の感情や気持ちに気づくこと、相互尊重の意識を持つこと、そして立場を超えた視点からのケーススタディでは、それぞれの思いやその背景を語ることに大きな意味があったとの反応があった。
今回の研修で、チームメンバーが持つ一人ひとりの力や、チーム力の相乗効果を高めていくためには、「風通しのよいコミュニケーションに取り組み、職場環境をよりよくする」との意識が高まったこと、仕事以外の場でチームメンバーと安心して話し合いができたことがよかったという声もいただいた。空の安全を守るプロフェッショナルな職場であっても、一人ひとりを尊重した職場づくりを目指す方向性が再確認された機会となった。