Tグループとは No.015 つんつんの人生には救世主がいるんです!出会いに感謝です!

 1年間の米国滞在を終え、1986年の夏、マサチューセッツを離れるに際し、お礼を言ってもありあまるほど、私の米国滞在をサポートしてくれた女性がいます。

 マサチューセッツ大学Amherst校での客員研究員の活動が9月からスタートして、半年ぐらい経った時のことです。半期は、G.Weinstein先生(ジェリーと以下呼びます)が授業をする大学院の授業を見学させていただきました。授業は、緊張感は持ちながらも、楽しく授業見学をし、ジェリーとのプライベートな関わりも生まれていました。

 次の期は、「大学院の授業に参加者として参加して、学んでみますか?」というジェリーの促しに、喜んで参加することになりました。授業のプログラムの流れは、一度見学させていただいているので、流れはわかっており、楽しみに参加することになったのです。

 確か、授業が2回か3回進んでところで、以前から、「何か感想があったり、疑問があったりしたら、何でも聞いてください」と言われていたので、つい口が滑った的な、とはいえ素朴な質問をしたのです。

 ジェリーが、ワークの指示をしてから、メモ書きをし始めると、彼は次からいろいろなメッセージを発して、特に言葉が不自由な私には次から次にいろいろなことを言われてそれを理解しようとすると、その言葉がジャーナル記入に邪魔する感じに聞こえきたのです。そこで「指示した後のメッセージが多すぎるように思う。もう少し書くことに集中したい。」と話したのです。

 すると、ジェリーの地雷(?)を踏んだのか、急に顔色が変わり、声を荒げる感じになったのです。慌てた私は不自由な英語で説明するのですが、またその言葉がよく伝わらないようで、「君と話をしているとコンフリクトを感じる!!」このプログラムに関心がないのなら「帰ってもらっても良い」的なところまで話が展開してしまい・・・私はアワワ状態になってしまったのです。私自身はこれで帰るつもりもないので、引きつづき学びたいとは強調したのですが・・・

 そこに、中に入ってくれたのが、ジェリーの元で研究をしていたドクターコースのジュリアンという女性です。ずいぶん身体が大きな方で、大きな声で笑い、おおらかな気持ちの持ち主で、最初から親切にしてくれていた女性です。自宅に洗濯機がないなら貸してあげるよとか言ってくれた女性です。ジェリーと私とのその関係の中に手を差し伸べてくれて、「今後ジェリーとの話し合いの場には、私がいつもいることにするよ。」といっていただき、その後は、いつも3人で会話をしながら、後半の「Education of The Self」プログラムを最後まで参加し学ぶことができたのです。彼女がいなかったらと思うと、ひょっとしたら、淋しく米国をうろうろしながら、1986年の8月には悲しい帰国になっていたかも知れません。

 彼女がいろいろなことを教えてくれた中で、私が「多くの質問があるので、・・」とジェリーに伝えたことが批判的(critical)に聞こえたと思うよと話してくれたことを今書きながら思い出しました。その時に、私は“too”という単語を使ったのです。私の中・高時代の構文には、「多すぎて・・できない(too〜 to〜)」が頭をかすめ、確かに“too many Questions”を使ったのです。この“too”という言葉が批判的に聞こえて、ジェリーの心の怒りに触れてしまったのかも知れないとの話でした。ジュリアンは「その時にはね。“so”を使うといいのよ!」と話してくれました。

 ジュリアンからは言葉以外にも、生活面でも、またセルフ・サイエンスの「Education of The Self」のプログラムの詳細についても、すべて助けていただきました。私にとっては、ジュリアンは米国滞在のとても大きく大切な救世主だったのです。

 米国滞在時の大きな救世主はジュリアンですが、自分の人生を振り返ってみると、中学時代のどこか自分の家から逃げ出したかったつんつんを伝書鳩の世界について行ってくれたSくん、大学進学でくすぶっている自分を心理学の世界に誘ってくれたHくん兄弟、心理学の基礎をトコトン教えてくれて名古屋大学に送り出してくれた故I先生、そんな私を引き受けて社会心理学のイロハを教えくれて南山短大を紹介しくれた故O先生、Tグループのトレーナーを身をもって教えてくれたN先生、ラボラトリー体験学習の応用実践の場に誘ってくれて鍛えてくれたH先生、まだまだ数え上げ出すと切りがありません。1回のTグループのセッションの中にもメンバーはもちろんのこと、トレーナーである私を助けてくれたメンバーはたくさんおり、その体験は数えきれません。

 人生の中で、こうした救世主に助けられながら、つんつんは人生を歩めていることを自覚しながら、改めて生きていきたいと思う次第です。本当に、一人ひとり、一つ一つの出会いに感謝の人生です。(つづく)