二人の方からインタビューこれまでの自分、これからの自分を考える(2014年9月15日)
9月15日(月)思いがけず、お二人の方にインタビュー(問いかけ)をしていただく機会に恵まれました。
一人は、南山大学大学院人間文化研究科教育ファシリテーション専攻の修了生のお一人です。もう一人は、協同学習・協同教育を提唱されている先生です。
一人目の修了生には、教育ファシリテーション専攻の開設時の諸々の話と本専攻のこれからについて尋ねられました。2014年4月に本専攻は開設され、ほぼ10年経過しましたが、我ながらよくぞここまでやってこれたという感慨深さを感じることができました。10年一昔とよく言われるように、1クール終了して、次の新しいクールに入っているのだろうなと改めて感じた次第です。
ラボラトリー方式の体験学習のコアプログラムである「Tグループ」が組織開発(OD)の始まりであり、それは、今日広く知られつつあるホールシステム(たとえば、ワールドカフェ、フューチャーサーチ、AIアプローチなど)の源流でもあるのです。ちょうど先日のODNJapanの世界大会でスカイプでE.シャイン氏が語っていたように、また、D.ホイットニー氏の基調講演で話されたように、「Tグループ」への原点回帰を、津村に示唆されたように感じています。
本専攻の新しい方向性として、現在のODアプローチの研究と併せて、「Tグループ」の今日的意味と実践が必要とされているのではないかと感じています。それは、E.シャイン氏の話にもありますが、援助を求めている人(学びを求める人)に焦点を当て、その人がその人の力で、その人の責任で、学んでいくという状態を支援するのがファシリテーションの原点であり、それを実現するためのファシリテーターの養成を残された人生の中でできれば実現したいと考え始めています。
そういった思いを明確にしていただくインタビューでした。
また、もう一人の先生からのインタビューというか、対談というか、居酒屋での談義の中で、協同学習について日頃考えたり思っていることをお尋ねしてお答えをしていただけたことが私には大きな収穫でした。
一方、尋ねらたことで、「プロセス・エデュケーションとは何ですか?」といった大上段からの問いは、なかなか私には厳しい問いでした。ほぼ咄嗟にといってもいいかもしれませんが、関係者、学び手が「参画すること」と答えました。結果として、「参画できた体験」「参画できなかった体験」があってもいいのですが、やはり学びの場に「参画すること」が大きなウェイトを占めていると考えています。ちょうど、その先生が、お話をしてくださいました。「参集」「参与」「参画」ですかね。「参集」とは、ただ集まっているだけの集団。「参与」とは、ゴールは示されて、それに「参与」するということ。協同学習はこれにあたりますと言ってくださいました。まさに、目標を示し、それにいかに「参与」できるかを考えて促すグループ学習が協同学習といえるのでしょうね。すごく納得です。
そして、ラボラトリー方式の体験学習は、「参画」を求めると考えると、ゴール(目標)も学び手とともに創る
ことから学びはスタートしているのです。まさにラボラトリー方式の体験学習を言い当てているように感じました。
それと、併せて、再度「プロセス・エデュケーションとは?」と尋ねられ、「プロセスを大切にする教育」と答えました。「プロセス」とは、「今ここで起こっている気持ちや思い」であり、それを大切にする学びの環境作りなのです。よって、それは、協同学習であろうと、一斉学習であろうと、ラボラトリー方式の体験学習と名付けていたとしても、そこで起こっている学び手の気持ちや思い、学び手とファシリテーターとの関係のありようなどに気づきながら、それを扱いながら学ぶ場を創っているかがとても重要なのです。教育現場の形ではなく、ありようを「プロセス・エデュケーション」では考えたいと思っているのです。
これらのことを、いろいろと考えることができた一日となりました。