プロセス・エデュケーションが必要な訳(No.00)

少々しまりの悪いブログの一区切りでしたが、TグループとBEGとの比較考を進めてきましたが、これまでのブログの内容と、ヤーロムの書籍からの学びと併せて、10月中旬開催の日本人間性心理学会第33回大会に向かおうと思います。
今年の私のテーマは、前述のTグループとBEGとの比較考が一つ、また体験学習の循環過程「サイクルのステップ」について、網羅的に吟味することが一つ、もう一つは、プロセス・エデュケーション(ProEdu)にまつわる話題で、ProEduが必要なわけをいろいろと考えてみることです。そして、もう一つが、グループの変化・成長過程をできる限り多くの理論・モデルを紹介できるようになることです。これらのことが整ったら、「プロセス・エデュケーション」の第二版に手をつけようと考えています。
結構、たくさんの仕事が待っています。体験学習の循環過程に関しては、だいぶ書き出すことができています。こちらも、どこかのタイミングでこのブログで紹介をしていきたいと考えています。
まず、プロセス・江デュケーションは、学習者と学習者との関係、学習者と教育者との関係に起こるプロセスに焦点をあて、相互の信頼関係を築くことをベースにしています。その相互信頼をベースに、学習者自身の内部や外部環境とのかかわりの中で生じる出来事やプロセスに気づき、そこから生まれる学習者の興味・関心となる学びの動機を満たすように支援する働きの総称をプロセス・エデュケーションとよびたいと考えています。
学習者は、環境が整えば、学びは楽しいものだと感じ、自らの興味・関心で、能動的に学びに向かうことができると考えています。このことは、マグレガーのY理論の考え方であり、ノールズのアダルトラーニングモデルの考え方でもあります。人は、学ぶことは楽しく、また自分が発見した問題に自分で答えたくなるそうしたニーズをもっていると考えています。
また、その自由な発想や興味・関心が発露するためには、学習者相互や学習者と教育者との関係に相互依存、相互信頼の関係が構築されていることが重要であると考えています。
学習者が体験していることをベースに、その体験を素材として、学びに転換していく支援が大切になると考えています。それは、ヒューマンスキルのような人間関係に関わる学習目標はもちろんのこと、学校教育における教科学習や組織開発などにおける問題解決の問題などにおいても、関係的視点は重要になります。
それは、誰かに与えられて学ぶ受動的な学習ではなく、自分自身が学びの主体となって、自発的な意思で学びを構築していくような環境づくりが生まれてはじめて、そのような学びは成り立つのです。
こうした学びを促進するためには、K.レヴィンらによって提唱された今ここでのプロセスを大切にしたラボラトリー方式の体験学習の実践を中心に考えることが有効であると考えています。
キーワードの「プロセス」と「ラバ他とリー方式の体験学習」の理解が不可欠になるわけです。
その前に、学習者が自発的、主体的になること、考える力を育てることが、現代社会において大切であることをしばらく考えてみたいと思います。