認定看護師共通科目として「リーダーシップ」授業を実施

2011年10月17日(月)に、愛知医科大学看護実践研究センターにて『救急看護』と『感染管理』の認定看護師教育課程の共通科目としての「リーダーシップ」授業を実施してきました。
午前9時からスタートして、午後6時まで。なんと昼食休憩の50分をはさみ、ほぼ8時間の長丁場の講座でした。参加者の高いモチベーションのおかげで、最後までエネルギーが切れることなく、仲間とともに自らのリーダーシップを探究してくださいました。
私自身の記録のために、また、読者の皆さんのリーダーシップ研修などの実施する参考になればと思い、ここに書いておきます。
「ねらい」として、下記の内容をあげました。
  リーダーとして
・ チームで仕事をする過程で起こるプロセス(自分や他者の動き、コミュニケーション、特に、リーダーシップありよう、意志決定など)に気づく。
・ メンバーの成長のための効果的なフィードバックを相互に行うことを実践し、チームと個人の成長を考える
・ 日常現場から学ぶために、「体験から学ぶ」ことを理解する
講座は、午前9時からスタートして、簡単な(かな?大学院教育ファシリテーション専攻の宣伝、JIELのことなどいくつかの広報をかねた)自己紹介をさせていただきました。
その後、リーダーや教育者には、もっていただきたい『人間関係とは』何かといった、津村自身の考え方をお話をしました。「人間関係とは、ともに成長し合う場:共育の場」といえるという話です。また、その関係の中で、育つ一人ひとりの人間の願い(欲求)は、マズローの欲求階層モデルに示されるように、「Belongingness(所属・愛情の欲求)」を満たすことが大切で有り、それがベースとなって人は関係の中で成長していくと考えていることをお話ししました。
さらに、その関係に大きく影響を与えるものとして、「人間関係の2つの視点:『コンテントとプロセス』」の話をさせていただきました。特に、リーダーシップの視点からは、グループの中で起こるリーダーシップの機能という視点に焦点を当てていくことで、みずからのグループの中での働きを知ることができることもお話をしました。
そして、10分ほど、休憩
10時頃から、「チーム活動」(問題解決実習)から学ぶ(1)として、実習『おもしろ村』に取り組みました。コンテントして、課題達成は、7グループ中完全正解チームは2チームと少し少なかったかなといった感じでしたが、ふりかえりはしっかりされ、学びもたくさんインタビュー時に発言してくださいました。
インタビューを終え、昼食前に、効果的なチームのありようとして、目標(Goal) →役割(Role)→手順(Procedure) →相互作用(Interaction)のBecKhardのモデルを紹介しながら、お話を進めました。また、こうした体験からシステマチックに学ぶ学び方として「体験学習の循環過程」のお話をさせていただきました。
12:10 
昼食&休憩
13:00
午後1時からは、新しいグループを作り、チェックインから入り、2つ目のプログラム「チーム活動」(ブロックモデル)から学ぶ(2)を行いました。課題としては、ブロックモデルを行いました。この課題は、どうしても課題志向的な行動が増えやすいといった実習ですが、それでも、午前中のふりかえりの話し合いが生かされたのか、かなり密度の濃いコミュニケーションがなされ、またBeckhardのモデルも意識したのか、目標の共有化、役割・手順の明確化がなされて、かなり精度の高いブロックモデルの実習になりました。
ふりかえり用紙記入に続き、わかちあいもしっかり行っていただき、インタビューで気づいたことや学んだこと、体験したことを発表していただきました。どのグループも興味深い気づき・学びを報告してくださいました。
それに続き、「リーダーシップ」研究の簡単な紹介を行い、状況論的アプローチとしてのリーダーシップ論や責任共有のシェアードリーダーシップの話もさせていただきました。
そして、最後に、「チーム活動」(コンセンサス実習)から学ぶ(3)として、コンセンサス実習「ボランティア」に取り組んでいただきました。時間的には少し厳しかったのですが、白熱した話し合いが行われました。話し合った結論もそれぞれグループによって異なっており、グループ相互に関心をもって、他のグループの結論(コンテント)にも質疑応答が行われました。
ふりかえりは少し時間が足らなかったかもしれませんが、もちろんふりかえり用紙に個人の気づきを記入後話し合いをしていただきました。数グループの人たちにインタビューをして、まとめてきな話として「JOHARIの窓」の話をさせていただきました。
そして、最後に、今日の一日の講座で成績も出さないといけないということで、レポート課題を出して、終了しました。来週の月曜日が締め切りです。
どのようなレポートが出てくるのか、今から楽しみです。
参 考WEB:つんつんの体験から学ぼう!:http://www.nanzan-u.ac.jp/~tsumura/
日本体験学習研究所(JIEL):https://jiel.jp/wp2/
参考文献: クリエイティブ・ヒューマンリレーションズ 星野・津村監 プレスタイム
人間関係トレーニング 第2版?私を育てる教育への人間学的アプローチ?津村・山口編 ナカニシヤ出版
ファシリテーター・トレーニング―自己実現を促す教育ファシリテーションへのアプローチ― 津村・石田編 ナカニシヤ出版