易経に学ぶファシリテーション(14)
■「乾為天」の6つの龍の成長プロセス
六十四卦の陰と陽の組み合わせのうち、すべてが陽で組み合わされているのが「乾為天」といわれるそうです。八卦の乾(天)+++が二つ重なった卦で天の働きについて説いている卦だそうです。先日発刊された、あっこちゃんこと易経研究家の竹村亞希子さん著書『リーダーの易経『兆し』を察知する力をきたえる」(角川SSC新書)の主たるテーマがこの「乾為天」です。この「乾為天」の6つのプロセスの話をもとに優れたリーダーへと成長していくためのステップを伝えてくれているのです。その中で、6種類の龍が登場します。易経では、龍は組織のリーダーのたとえとのことです。龍は、その働きがリーダーの働きで、龍が雲を呼び雨が降らせる、地上の万物を養う生き物としてたとえられているのです。龍が六段階のステップを経て、優れたリーダーに成長していくというのです。それがリーダーとしての大切な指針を示していることになるのです。詳細な内容は、もちろんその著作をお読みとりください。
六段階のプロセスとして、第一段階は龍が地中深く暗い縁に潜み隠れている「潜龍(せんりゅう)」、第二段階は明るい地上に現れ目に見える「見龍(けんりゅう)」、第三段階は毎日同じことを繰り返し修養に励む「乾惕(けんてき)」、第四段階は修養を極めリーダーになる一歩手前の「躍龍(やくりゅう)」、第五段階は天を翔け雲を呼び雨を降らす「飛龍(ひりゅう)」、第六段階は高見に昇りすぎた龍が力が衰えて降る「亢龍(こうりゅう)」だと語られています。リーダーの成長のプロセスと栄枯盛衰のプロセスを教えてくれているようです。
あまり、よきリーダー、よきファシリテーターとして、成長した龍ではないのですが、この教えを手がかかりに自分のファシリテーター、特にラボラトリー方式の体験学習のファシリテーターとしてどのような道のりをたどりながら今に至っているのか、考えてみたいと思います。