易経に学ぶファシリテーション(02)
■グループの目標によって異なるファシリテーション■
グループの目標を明確にし共有する働きがファシリテーターの大切な働きと前回書きました。このグループの目標によって、ファシリテーターの働きかけが大きく異なります。特定の任務を与えられ、その問題を解決すべく誕生したプロジェクト・グループにおいては、課題を解決することが大きな目標となるでしょう。
一方、グループ体験を通して、自分の人とのかかわり方やグループのマネジメントを学ぼうとするグループでは一人ひとりの中におこるプロセスを丁寧に扱いながらすすめることが目標となるでしょう。それぞれのファシリテーターの働きは、異なるものです。一つの例でいいますと、何か話し合いのために障害が生まれたら、前者のグループのファシリテーターは、その障害をいかに乗り越えられるか、またはその障害が予見されたらその障害を起こらないようにして、課題解決がスムーズに行われるようにファシリテーションすることを求められるでしょう。
一方、後者のファシリテーターは、グループメンバーがぶつかる障害をともに体験しながら、その障害をいかに乗り越えるのか、一人ひとりがどのようにその障害に立ち向かったり、相互作用を通してグループとして成長することを意識的に学ぶことができるかを支援することになるでしょう。
それぞれの働きには、障害を取り除くのがよきファシリテーションか?障害に対峙することがよきファシリテーションなのか?易経からの学びは、グループの目標は異なれど、共通した視点を提供してくれるかもしれないと感じています。もしかすると、より体験から学ぶことを意識したファシリテーターにヒントをくれるかもしれません。
さて、易経との出会いは、シリーズ(00)で書きましたが、直接私の心に届いたのは、2014年7月19日(土)に、竹村あっこちゃんの直接お話を聴く機会があったことからです。その時の、ノートを恥ずかしいながら(といいながら、見せたがりなのですが)アップしておきます。
その時のテーマが、3つ。(1)「四季と時中」、(2)「変易・不易・易簡」、(3)「陽の力と陰の力」でした。これらのテーマには、たっぷりと易経のエキスが一杯詰まっているのだろうと思います。少しだけあっこちゃんの話を聴いただけで、わかった気になる軽い乗りのつんつんこと津村ですが、お許しを願って、これらのテーマを切り口でファシリテーションを考えていきたいと思います。
やっと、入り口に入りかけて、易経のドアを開けたところです。