Tグループとは No.065 誕生から75年さらなる発展のためのパラダイムシフトに向けて:Marshakら(1994)のコヴァート(隠れた)プロセスモデル(Covert Process Model)(Part 3)

 「コヴァートプロセスモデル」は、グループや組織に隠れているプロセスを考えたり、探したりするのに有用な方法を提供してくれます(図)。

フレームまたはコンテクスト
 グループ内で何が起こっているか、起こっていないかを理解しようとするためには、状況をフレームや文脈で捉えることは大切になります。例えば、このグループの目的や手続き、会議の場所、発達段階などいろいろな考慮事項が考えられます。例えば、チームで仕事を仕上げることが目的か、個人の成長が目的かといった文脈では「正当で適切な行動」と見なされるかも知れない行動は異なるでしょう。一つの場ではある行動は適切な行動と見なされても、異なる場ではそうではないことがおこるかも知れないのです。

テーブルの上
 どんな話題、行動、態度、感情が、グループでの議論や注意を払うために正当で、適切な、受け入れ可能で、妥当なものであるか。何かがテーブルの上にないとき、それはその時、見えない、グループに隠れていることを意識してみるといいでしょう。

テーブルの下
どのような話題、行動、態度、感情がグループでの議論や注意のために受け入れられない、不適切な、疑問があると見なされるか。情動、思考、恐怖やニーズなどがあるにもかかわらず、決して取り上げられず、拒否されてしまっているかも知れません。特定のトピックや感情、行動を提起したり、吟味したりすることが安全でないと感じている可能性があります。

雲の上
 「本当に思っていることを言うと善すぎる」と思われ、それゆえにグループの中で隠されたりしています。個人やグループの「密かに考えている希望や願い」が何かあるかもしれないのです。どのようなトピックや行動が嘲笑されやすかったり、からかわれやすいかなどに注意を払うのも大切です。(つづく)