ラボラトリー体験学習を考える:BEGと比較しながら(3)
本日(4月10日)は、孫の幼稚園入園式でした。一眼レフデジタルカメラ2台に、標準ズームと望遠ズームをそれぞれつけて、出かけてきました。さすが、年少組の入園、泣き叫ぶ子あり、走り回る子あり、おとなしくしている子あり、さまざまな子供たちの行動に、幼稚園の先生の対応は大変だなあと、あらためて実感してきました。我が孫も、明日は、スクールバスのお迎えに、無事に乗ってでかけられるでしょうか?
さて、いよいよ、ラボラトリー体験学習(Tグループ)とBEGとの比較、第三弾です。ファシリテーター(Tグループでは、トレーナーと呼ばれたりします)の関わり方(介入の仕方)の特徴について考えてみたいと思います。
BEGを長年実践してこられた方とご一緒する体験とお話をする機会から、あらためて、Tグループの方が“今ここ”への焦点づけはつよいかもしれないと考えました。生い立ちの話や過去経験を語っているメンバーがいる場合には、Tグループのファシリテーター(トレーナー)は、“今ここ”のありようと照らし合わせながら“今ここ”の意味を感じたり考えたりしながら聴いているのではないでしょうか?BEGのファシリテーターは、整理されないまま話され続けてもその生い立ちや過去物語に耳を傾け傾聴する姿勢が絶えず続くようです。BEGの考えでは、結果として“今ここ”に話が焦点づけられるようになるというゆったりと構えた関わり方をされているのではないでしょうか。
きっと、Tグループが日本に入ってきた時には、この“今ここ”への焦点づけの強さはかなりあったのではないかと推察できます。今、私たちTグループ関係者では、生い立ちなどを含めて過去の話なども“今ここ”にいるメンバーにとっては大切な語りとして傾聴するようになってきていると思います。ただ、その語りも、メンバーのグループ参加への意図(ねらい)と絶えず照らし合わせながら、そのねらいの達成との関連で耳を傾けていることはあるのではないでしょうか?
その結果として、BEGでは、語っているメンバーへのファシリテーター自身の率直な感想や思いを伝えることが多くなるかもしれません。コミュニケーションが進んでいれば口は出さないとも、BEGファシリテーターは話されていました。Tグループでは、自分の思いと共に、そのメンバーのねらいとその語りとの関連や重なり具合なども、働きかける(介入する)意図になっているのだろうと思われます。
やはりここにも、体験すること(感情を表出すること・傾聴すること)が主眼になるBEGと、自分の行動変革を目的として学習集団としてのラボラトリー方式の体験学習(Tグループ)の違いはあるのでしょう。