チーム・ファシリテーション第5回を終えて

JIEL公開講座「チーム・ファシリテーション」の第5回目を終えました。この講座は、チーム内でメンバーがファシリテーター役を順番に担いながら、メンバーとしても活動する構造で、毎回異なる体験学習の実習に取り組みます。
今回は先週書いた通り、私がファシリテーター役を務める回でした。
課題は正解のあるコンセンサス実習で、1時間の間に15の選択肢に順位付けをしなければいけません。私は今まで4回の経験を活かしつつ、時間配分、時間管理、話題の妥当性、意思決定の確認に注意するつもりで活動をスタートしました。
最初に「どんな時間配分で進めますか?」とメンバーに問いかけたときは、オープンなきき方だったので、メンバーから「それぞれ考えていることがあると思うので、まず考えを表明する“発散”の時間をとって、それを統合していく“収束”の時間をとり、最後に“結果”を出す時間がとれるといい」という提案があり、「じゃあ、発散、収束、結果のそれぞれを何分ずつとりますか?」とみんなの意向を尋ね、集約していくことができました。
メンバーとして参加していた先回までは、終了時刻を告げられても、課題に取り組み始めるとその内容と、その場で起こっていることに対応するだけでいっぱいになり、ふと気づくと時間を忘れている自分がいました。ところが、ファシリテーター役になってみると、実習終了後にコンセンサスによる決定の正答率を統計的に出してみるという予定が明らかにされていたこともあり、必ず結果を導かなければいけないという気持ちから、話し合いを始めても腕時計のチェックは欠かすことがありませんでした。そして、随時「もう15分経過しました」等とアナウンス。
どのような視点で背景を捉えるかによって、順位づけが大きく変わるポイントでは、話し合いにそれぞれの疑問や思い入れ、価値観、あるいは仮定も絡んでくるので、何が決め手になっているかをはっきりさせるために、「事実がどうであるかは判断しようがないから、こう仮定して考えた場合、この順位が妥当だということですね」等と明確化のための介入を実施。判断の根拠が事実なのか、仮定なのか、個人の価値観なのか等をできるだけ明らかにしました。
さらに、そういうポイントでは話し合いは当然、長引くので「今、20分経過して“発散”はあと10分ですけど、この話題について話し続けていいですか?」と時間管理の介入も実施。そして、ラスト25分を切ってからは、順位づけとは関係ない素朴な科学的疑問等に話が流れそうになると、「今、大事な話をしてると思うけど、もう発散の時間は終って、あと15分ですべての順位を決めなければいけないから、話を順位づけに戻しませんか?」等と、話題を戻すためのストレートな介入も行いました。
しかし、大詰めの段階で、何と私自身が合意しかねる内容が浮上。ファシリテーター役だったからこそ、私は安易な妥協はできず、どんな意見になるにしろ、納得できる根拠が欲しいと思いました。そこで、積極的に自分の順位づけの理由を表明し、そのテンポで多数派の意見・根拠もどんどんききたいと思い、「なぜそう考えるか、もっときかせてほしい」とリクエスト。その結果、最終的には絞られ、多数派の回答に合わせようという気持ちになって、私も合意できました。
振り返ってみると、必要だと思った行動はすべて実行していました。だからこそ、反省すべき点は今回たまたまできなかったことではなく、今の自分の問題点だろうと思います。
わかちあいでは、参考になる重要な指摘をいくつかいただきましたが、なかでも的確だと思ったのは「今回の実習では、メンバー間の会話よりもファシリテーターとメンバーの間の会話が多かった」という指摘。これは私の介入回数が多かったことや最後にメンバーとして納得できない問題にぶつかったことに由来していると思いますが、言われてみると、前へ出過ぎてしまった感がありました。
そう指摘してくれた方は、こういう現象の回避方法として「介入するときも、メンバーとしての自分の意見を述べるときも、相手に直接問いかけたり、語ったりする前に、自分の状況をこの場に出して、みんなに問いかけるといい」とおっしゃいました。例えば「今の意見をきいて、まだ私は納得できないんですけど、どうですか?」と黙っている方に問いかけるとか。これはチャレンジ可能なことなので、ぜひ次の機会にやってみようと思いました。
ただ、根源的に考えれば、もっとメンバーを信頼することで、介入回数を減らすこともできるのかもしれないと思います。タイムプレッシャーとの狭間で、プロセスへの介入を絞り込んで課題達成を目指すのは、難しいことではあります。でも、この点については考えてみる必要があると思っています。
「チーム・ファシリテーション」Cグループのみなさん、本当にありがとうございました。^_^/