私のバロメーター

 忙しくなってくると自炊率が落ちていく。食べることは好きなので、一食一食を大切にしたいと思っている。昼間時間がないとき、惣菜パンをあわただしく食べたり、お店で味わって食べたり食べ終わったあと少しゆったりする時間もないような日が続くこともある。そんな時は夜も自炊する気力がでずに、コンビニ弁当や外食が続く。外食と言っても、遅い時間なので選択肢は限られる。コンビニや外食もさまざまなメニュー開発や努力をしているので、それなりに食べてみたいと思えるのだが、数日続くと気持ちがめげてくる。
 また健康のことを考えると、野菜をたくさん取ることや味つけ、添加物なども気になって、やはり自炊したご飯は私にとってささやかな幸せだ。きっとお金を出せばもっとおいしいものも食べられるのだが、自炊したご飯はなんだか力が湧いてくる。自炊ができていること自体が、気持ちに余裕がある現れであり、バロメーターになっている気がする。
 料理は、いろんな材料から何を創るかというクリエイティブな側面や、複数の料理をいかに手際よく同時に食卓に出せるかを工夫するなど、普段とは違う自分の頭や力を使うのも面白い。ただ料理のレパートリーへの意欲にも波があって、新しいメニューに挑戦したくなって、本屋へ料理本を買いにでかけ、新メニューを試してみるときもあれば、いつも同じ食材と料理をつくって代わり映えのしないメニューの繰り返しになってしまう時もある。
 家族に「何を食べたい?」と聞くと大抵「何でもいい」という返事が返ってくるが、最近聞いたら、「和食。とにかく高タンパクで低カロリー」との答えが返ってきた。少し(かなり?)体重を減らしてより健康に気を遣いたいこの頃。毎日複数の料理を作るのはなかなか大変なので、今日は作り置きおかずの本を見て、トマトのはちみつレモンマリネときゅうりのにんにくラー油漬けという2品の常備菜を作ってみた。保存容器に入れて、冷蔵で3〜4日間保存可能なので、今週前半はあと1品つくれば自炊できそうです。 岸田美穂