清里は今日は晴れだった

 6月25日に起きた地震により、残念ながらおんたけ休暇村での実施が困難になり、8月の繁忙期ではあったのですが、幸い清里のキャンプ施設を確保、場所を変更することができました。第3回ESDスペシャリスト育成講座が無事、開催されることになりました。
 第2回では、環境教育など実践されている方を講師にお招きし、その活動内容もさることながら、それぞれの人の思いなども知ることができ、充実した一日でした。というのも、2日間あった2日目は暴風警報が発令され、東京など遠路から来られている方が帰れなくなることも予想されたことから中止の判断になりました。
 気を取り直しての今回の清里での開催となってほっとしたのですが、開催初日の朝は雨模様。雨だからといって野外活動をしないということではありませんが、でもせっかくなら晴れたほうがいい。晴女ののりちゃんが参加者の一人だったおかげもあって、皆さんが集まる午後からは一転して晴れだし、気持ちのいい夏の緑の空気の中での開会となりました。
 まずは今回の講師をお願いしたキープ協会のインタープリターである鳥屋尾さんとともに野外に出て自然体験をします。吹く風の音、鳥のさえずりを聴きながら、自分が自然に一体となっていくことを感じます。日ごろは時間を気にし、時間に管理されて動いている自分が時間から解放され、今目の前にあるもの、耳に入ってくるもの、触れるもの、空気のにおいにも気を留め、受け入れ、感じます。いつもだと見えていないものに目を向け、気にもしていないことに網を張り、通り過ぎていくものにもなにかを感じる時空となります。煩雑な、長い目で見ればそれは本当に大切なことなのか、今そこに自分のエネルギーのすべてをかける意味がどれだけあるのか、そんな日常が今は木々や一枚の葉っぱや鳥の鳴き声に打ち消されます。
 私たちが得たものはなにか、そして失ってしまったものはなにか。変わるもの、変わらないもの、変えられるもの、変えないようにできるもの。そのために私たちが変わらなくてはならないことはなんなのか。
 たぶん私たちは環境教育というカテゴリーのなかに、私たちのありようが問われ、日常の生きざまが問われ、その行動が問われているのだ、と思いました。

 

 自然体験をした後、受講されている皆さんはグループに分かれ、レシピをもとにプログラムづくりに入りました。夜は一同に会し、ワインや差し入れの焼酎をいただきながら語り合いました。それぞれの人が自分のことを語ること、それが集まる時間と空間がひとつになる。森に囲まれたコテージは、夜の動物たちに暗闇をあげるためにできるだけ明かりを落とし、それがまた私たちをひとつにしていくのを感じます。
 2日目はグループごとにインタープリター役になり、野外での実践となりました。それぞれのグループが思考を凝らし、ユニークな実習が出来上がりました。