Tグループとは No.057 グループプロセスへの働きかけ:コンテントとプロセスへの意識づけの適切な介入の割合とは

 このバランスを考える際の1つの視点は、グループがめざすゴール(目標)の違いが考えら れます。グループがめざすゴールが、1つの課題 (プロジェクト) を達成するために集められたグループならば、きっとプロセスに焦点に当てすぎることは適切ではないでしょう。課題達成に向けて、ある程度コンテントを大事にしたアプローチが必要になるでしょう。

 一方、プロセスを通して学ぶようなグループ、たとえば、Tグループのような非構成のグループ体験から学ぶことをめざしたグループの場合には、コンテントよりは、プロセスにはるかに重点を置いたグループの相互作用を大切にする介入が必要になるでしょう。

 グループにかかわるファシリテーターは、グループの目標を明確にし共有することがまず大切であり、その目標の達成に関わるプロセスとグループメンバーの相互作用におけるプロセスに気づき、そのプロセスに働きかける行動 (介入)が大切になると考えられます(津村,2009)。

 また、Reddyは、課題を達成することを目的とするプロジェクトチームのようなグループにかかわるファシリテーターやコンサルタントにとっては、コンテントとプロセスの標準的な割合を70%と30%であると提案しています。また、2つのプロセスにおいて、タスク志向とメインテナンス志向へのプロセス介入の割合も50%ずつぐらいが適切であると述べています。すなわち、コンテント:タスクプロセス:メイテナンスプロセスの割合は、70%、15%、15%で、グループの効果性も効率性も高く、メンバーは満足感の高い仕事が達成できると考えられていのです。

 タスク志向が高くなりすぎ、メインテナンス志向が弱まれば、仕事にメンバーを強いることになり、メンバーの気持ちをおろそかにしてしまう状況が生まれるかも知れません。

 一方、メインテナンス志向が強くなり、タスク志向が低くなるといった場合には、仕事を効果的に達成することよりも自分たちの気持ちレベルの満足を得る方向にグループは偏り、仕事が滞ってしまうことになりかねません。

 またいずれの志向も低いと、グループへの魅力は極端に落ちてしまうでしょう。一方、いずれも高くなってしまうと、「どのように(how)」 すれば関係がよくなり、仕事ができるようになるかということに注意が向けられることに終始してしまい、課題は達成しなくなるだろうとReddy (1994津村監訳, 2018)は考えています。(詳細は、『インターペンシ ョン・スキルズ』津村監訳(2018)金子書房を参照)。JIELでは、「グループプロセスコンサルテーション講座」として、GPCのトレーニングを行っています。(つづく)