「ファシリテーターの役割と技法」という研修のデザインと実施

 2015年1月24日(土)午前9時〜午後5時まで、大阪の某病院で副師長さんクラスの方々60名を対象に「ファシリテーターの役割と技法」と題して研修を行ってきました。
 朝5時に起床。午前6時過ぎの地下鉄に飛び乗り、午前6時35分発の新幹線で京都へ。京都駅から乗り継ぎ会場の病院に入りました。朝食は、新幹線の中でコーヒーとサンドイッチ。病院近くでコーヒーブレークで時間焼成をして、朝8時30分に会場である病院に入りました。
 講師控室にて少し挨拶して、会場に入ると、60人余の看護師さんたちの熱気が熱くすでに感じられる雰囲気でした。
 挨拶から簡単な一日の流れを説明して、早速グループごとに「今の気持ちは?」「今日学んでみたいことは?」の2つから自己紹介をかねてチェックイン。その後は、津村の常套的問いかけの「あなたはどんな体験をしましたか?」を記入。個人の体験をふりかえる3要素:行動・思考・感情の視点から説明し、「自分をマネジメントすることの大切さと視点」のお話をしました。最近は、ファシリテーターの大事な態度とスキルには「自分をマネジメントすること」が重要であると考えています。私の特徴、パターンを理解することと、そのパターンから抜け出せるようになることの大切です。これは、E.シャインのO-R-J-Iモデルと関連してくるのです。特に、状況をどのように観るか、その状況から何を感じ、そしてどんなふうに判断をして、働きかけるか、この一連の流れをしっかりとモニターできるようになることも、この行動・思考・感情の視点から自らをマネジできることと関連しているのです。
 午前の後半は、グループの状況を観ることと、グループの中で自分がどのように動いたり働きかけたり、また周りのメンバーから見られているかを把握するためのグループワークを行いました。問題解決実習「ナースをさがせ」を実施し、ふりかえり用紙に記入後わかちあいをしっかりおこなってもらいました。その後は、11グループありましたが、すべてのグループから気づきや学びを語ってもらい、それぞれにコメントを加えながら学びを深めていきました。
 コメントの時間が結構かかり、昼食が少し遅目の12:40頃から13:30まで。午後の部がスタートして、「ファシリテーター実践トレーニング」と題して、それぞれファシリテーター役、オブザーバー役、メンバー役を決めて、2回ほど討議とふりかえり用紙記入&わかちあいを行いました。1回めのスタートの前には、ラボラトリー方式の体験学習とはといった定義と体験学習の循環過程の話と、Reddyのプロセス・コンサルテーションのロードマップの紹介をヒントに実習をやってもらいました。
 2回めは、「効果的に会議を進めるためのヒント」といった資料を配布し簡単に説明して、討議とふりかえりを行ってもらいました。1回めは、「一生看護師を続けるために必要なことは?」2回めは「ファシリテーターとして大切なことは?」というテーマでディスカッションを行ってもらいました。かなり充実した話(コンテント)とファシリテーターのありようを巡ってのふりかえり(プロセス)を体験していただけたのではないかと考えています。
 午前の前半は、「自分をマネジメントする」、後半は「グループを観る&グループの中の自分の理解」、午後は「グループ活動をファシリテートすることを実践から学ぶ」といった構成で考えてみました。特に午後の後半の活動を通して、ファシリテーターという体験を繰り返しながら学ぶという態度の育成と必要性を理解していただけたなら幸いです。
 依頼を受けてから、今年のはじめには、参加者60名の現状と研修への期待がたくさん書かれた資料が送られてきた、かなりプレッシャーがありましたが、なんとかテーマに近づくことができたのではないかと思います。また、アンケートと、今回の学びをどのように現場に活かしたかのレポートが届くはずなので、とても楽しみにしています。
 これらの流れと資料類を一度まとめておこうかと考え始めています。