教育研修をデザイン(設計)することで大切なことを考えるプログラムの実践

 昨日9月28日(日)の9時30分から12時30分までの3時間、(社)日本産業カウンセラー協会関西支部 平成26年度シニアコース講座「KO800 教育指導」を担当してきました。
 結構このコースの担当が長くなってきています。この間、少しずつプログラムも充実とというか、自分ながらに納得のできる流れになってきているように感じています。ここで、一度簡単に記録もかねて、ねらいと流れをまとめておきます。研修デザインに大切なことを考えるプログラムとしては、一つの進め方ではないかと思っています。
 さて、「教育指導」という科目として、日本産業カウンセリング協会における学習のねらいと学習の要旨ではかなりの知識・技能・態度の涵養を求められています。冗談まじりに、「これだけのことが3時間でマスターできれば、すごい科目ですね!」と話してからスタートしています。
 そこで、私なりに、これらの中身を少しでも実現する(体験して学ぶ)ためにつぎのようなプログラムで実施しています。
 まず、ねらいですが、
○ 産業カウンセラーが社会人を対象とした各種の教育や研修を実施するに際し、指導が効果的に行われるための基本的な考え、態度、技法を学ぶ
○ 実際に参加者が『研修プログラム設計において大切なことは何か』をディスカッションすることを通して、教育指導の基本的かつ重要な視点を学ぶ
○ グループ活動時に起こるプロセス(自分や他者の動き、コミュニケーション、意志決定、リーダーシップなど)に気づくとともに、自分のありようを学ぶ
 上記の3点を実現するのも大変ですが、参加者の方々の関心のどこかに触れることができればと思い、説明しています。
 そして、プログラムは、以下のような流れです。
1.導 入
  あいさつとねらいとプログラムの流れの説明
   (1)ねらいづくり
      私の窓:①今の気持、②私のねらい(取り組みたいこと、学びたいこと)
   (2)グループを作る(5~6人ぐらい)
   (3)チェックイン:「私の窓」の分かち合い
2.グループワーク
   (1)個人で考える:「研修プログラム設計で大切なことは?」メモ(5分)
   (2)グループの自立的運営:役割決め
   (3)グループで話し合う:「研修プログラム設計で大切なことは何か?」を話し合う(40分)
→模造紙に描く
   (4)グループで考えた『大切なこと』を発表する(1グループ3分)
   (5)ふりかえり用紙記入→わかちあい
3.まとめ
  教育研修を設計する際に大切な視点に関する発表をもとに、コメントする
  ・学習内容について
  ・学習評価について
  ・プログラムの設計と実施について
   教育者に求められるものは→“内省的実践家になれ!”
 研修の最後に、津村は大好きなD.ショーンの「内省的実践家になる」ことを、そして、研修、ラボラトリー方式の体験学習では、よく使われる「エントリー(Entry)」と「リエントリー(Re-Entry)」のお話を慌ただしい中、話させて頂き、昨日は、修了しました。
 6グループがプレゼンテーションされた「研修をプログラム(設計)する時に大切なことは何か?」です。どのグループもすごく熱心に取り組んで頂けました。
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■参考資料
プロセス・エデュケーション~学びを支援するファシリテーションの理論と実際~ 津村俊充 2012 金子書房