対話型組織開発を知る

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フューチャーセンターの生まれた背景

 フューチャーセンターは、北欧の知的資本経営の領域から生まれました。知的資本とは、目に見えにくい組織の価値の総称で、いわば企業を支える根っこのようなものです。具体的には人材やノウハウ、アイデア、ブランド、ネットワークなどを指します。

 

 北欧の国々で知的資本経営の研究がさかんに行われていた理由は、海外からの投資を呼び込むためでした。「他の先進国のグローバルな大企業のような大きな資本や資源はないが、従業員の質や知識、未来への可能性では負けていない」という北欧企業が持っていた考えに基づいて、知的資本を市場にアピールしたのです。最近では、北欧の家具や雑貨が大変な人気ですね。その鮮やかな色彩感覚や洗練されたデザインは、北欧の国々の知的資本のポテンシャルの一端がうかがえます。

 

 フューチャーセンターを考えたのは、知的資本経営の研究者であるスウェーデンのレイフ・エドビンソン教授です。「未来の知的資本を生み出す場」として、参加者同士の創造的な対話を紡ぐ空間として考え出されました。世界最初のフューチャーセンターは美しい湖畔のコテージにつくられました。会場にはユニークなオブジェや家具が配置され、エドビンソン教授自身がホストとして参加者を出迎え、対話をファシリテートしたそうです。

 

 やがて、フューチャーセンターは、知的資本経営の領域を超え、ヨーロッパ各国のパブリックセンターに広がっていきました。日本においては、企業や大学、さまざまな市民団体において、多様なステークホルダーを招き未来思考での対話が行われています。特に、東日本大震災を契機に2011年ごろから認知されるようになりました。社会に起こっている複雑な問題を解決するために、また住民主体の福祉コミュニティづくりの場として期待され、発展しています。(文責:岡田衣津子)

 

参考文献:野村恭彦『フューチャーセンターをつくろう』プレジデント社 2012年


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