ラボラトリー体験学習を知る

ファシリテーターの働きについて

素の自分とファシリテーターであることのギャップ?

qファシリテーターである自分と教師でいる時の自分とのギャップに悩んでいるのですが、どのようにすればいいのでしょうか?

 

aラボラトリー方式の体験学習を理解していただき、実践を積んでいくに従い、上記のような質問が出てきます。いろいろな思いにおけるギャップだと思いますが、これまでは、一方的に子どもたちを引っ張ってきていたのだけど、学習者一人ひとりの気持ちを大切にしたり、気づきを大切にしたりする指導者像とはずいぶんズレを感じられるのだろうと思います。
それは、体験学習のファシリテーターであることは、参加者の意志を十分に尊重し、参加者の学ぼうとする意欲や意識を高め、目標を明確にすることを大切にします。よって、自由な風土の中で体験し、その体験をふりかえり、そして学ぶことを促進する(ファシリテート)教師像と、学校教育の中で教科を教える教師あるいは教え込むと言ってもいいかもしれない教師像とのズレといってもいいでしょう。
体験学習を導入した初期の頃に感じる方がみえたり、一方体験学習の実践を重ねる中で感じられたりする方もみえるでしょう。生徒の言い分を聞いていたのでは、授業がうまく展開できるはずはない。また、学校の校則、規律に従わなくなり、学級・学校が崩壊するのではないかとさえ、不安になってしまう先生もいらっしゃるかもしれません。
もう一度、なぜラボラトリー方式の体験学習を導入するのか、また生徒の意志を尊重する働きかけや生徒から学びを引き出そうとする(ファシリテートする)介入が大切なのかを考えてみたいものです。やはりあくまでも、生徒一人ひとりを肯定的に見ていく視点や態度が私たち教師に必要であることを訴えておきたいと思います。生徒は、自分の学びたいことを見つけると自分の力で十分に学び得るのだといった学習者観に立つことが大切です。学習者が主体的に学びうる存在であり、その学びを引き出してこそ学習は成り立つのです。それは、自らの力で疑問を感じ、それを探求する問題掛けいつ能力を育成することになるのです。
一方、カウンセリングを学んだ先生や教育担当者の方が、相手のことを傾聴するのが大事だということで、「聴くことを大切にするのですが、こちらが言いたいことがあっても言ってはいけないのですよね。自分の中に思いがたまってばかりでこの思いをどのようにすればいいのか?とても悩んでしまうのです。」という声を聴きます。そうしたことはきっと、ファシリテーターという役割を背負うことで、自分の思いを伝えてはいけないのではないかと思いこんでいる教育者の方がいるということでしょう。自分の中に起こることもすべて大切な学習の素材になります。相手に対して怒りや不安などを感じるなどネガティブな感情も含めて、ファシリテーター(教師)の思いを正直に伝えながら学習者と関わることによって、教育現場が開放的になっていくと考えています。
生徒と教師の間に真実の対話が成立することがラボラトリー方式の体験学習では大切にしていきたいことなのです。お互いに構えることなく自由に語り合える教育現場づくりができるように、ぜひ体験学習を導入してもらいたいものです。


カテゴリー