ラボラトリー体験学習を知る

体験学習の進め方について

フィードバックを受け取るときの留意点は?

qフィードバックを受け取る時に、誰からのフィードバックであるかによって影響力が異なることがあります。例えば、年齢が高い人からフィードバックを受け取る時とか、地位が高い人から受け取る時など、特に意識してしまいます。どのようにフィードバックを受け取ればいいのでしょうか?

 

a確かに、ふりかえり用紙に記入したことや気づいたことを他のメンバーから受け取る時に、歳をとられている人や、その筋では専門家であるという人のフィードバックは、一般に共にグループ活動を行ったメンバーでありながらも、影響力が異なったり、メンバーによってはそのような権威ある人からメッセージを大切にしようとしたりする傾向の強い人がいるのは確かです。
本来は、どの人からのメッセージも同じ重さであり、一人の人間からのフィードバックとして受け取れることが大切であると考えています。もし、そのような特定の人のフィードバックに対してのみ影響力を感じていることが起こっているならば、そのこと自体がとても大切なプロセス・データになると考えられます。そのデータをもとに、今のグループのありようを考えたり、一人一人の対人関係のあり方やメンバーの特徴を探ったりできるのです。ラボラトリー方式の体験学習の代表的な手法としての”Tグループ(トレーニンググループの略)”では、ラボラトリーという場にはできる限り初めて出会う人たちが集まり、その関係の中のプロセスに生きながら学ぶという原理にあるのは、こうした権威とか既知の関係にある前提を避けるためにも大切な教育環境なわけです。
特に、フィードバックの授受において注意しなければいけないことがあります。それは、教育スタッフ自身が一つの権威者になりうるということです。教育スタッフが学習者のために大切だと思ってフィードバックする行為が、実は他のメンバーよりも意味があるものとして学習者に映り、それが正しいと思って理解されてしまうことが起こることを教育スタッフは肝に銘じておく必要があります。自己反省も含め、そのフィードバックが一見厳しかったり、鋭く感じられたりするものほど、そのように学習者は感じ、時には、学習者を傷つけてしまう可能性を秘めているのです。実習を用いた学習もそうですが、特に、”Tグループ”による学習は、フィードバックが主となるトレーニングでもありますから、どれだけ参加者相互に自由にフィードバックができるか、それはスタッフとの関係においても権威という関係ではなく平等な関係の中でフィードバックができるかがとても重要になります。こうした真実なる自由の風土、民主的な風土をいかに創り出すことができるかが、ラボラトリー方式の体験学習の鍵になるのです。


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