ラボラトリー体験学習を知る

体験学習の応用について

就労体験なども体験学習というけれど・・・

q『体験学習』という言葉はいろいろなところで使われていますが、いわゆる農作業やどこか職場や自然に出かけていくことで学ぶ『体験学習』と、『ラボラトリー方式の体験学習』とは異なるのでしょうか?

 

a同じ『体験学習』という言葉が使われていますが、内容は異なると考えられます。
農作業や自然体験をすることで、学習者である子どもたちは、きっと何かを学ぶことには間違いないでしょう。きっと、教育の目標が、学習者にとっての学習目標にあわせて学ぶことは変わることになるでしょう。たとえば、農業体験を通して、農業の仕方について学ぶことも一つの体験からの学びといえます。これは、『体験学習』でもコンテントを大切にした学習といえるでしょう。
時には、あまり意図した学習目標をもたず、体験することそのものが目的になっている場合にも多くみられます。しかし、何かを体験すれば、学習が成立するかといえば、必ずしもそうとはいえないことがあるのではないでしょうか。
時には、意図した学習の目標と違う効果が生まれるということさえ起こっていることもあります。たとえば、先生が熱心に社会のある単元を教えている時、横の友達に分からないことを尋ねられて教えてあげていると、先生にきつく叱られたとしましょう。子どもは、「友達に親切にするよりも、この先生の授業の時は、先生の言っていることに従わないといけない」ということを学んでいるかもしれないのです。これを、ヒドン(hidden:隠された)カリキュラムと呼ぶことがあります。オープンなカリキュラムで学びながら、そこに起こる事柄から人との関わり方などを学んでいるのです。
学習方法としての『ラボラトリー方式の体験学習』とは、体験するだけでなく体験したことから、その体験の中(私の中、私とあなたとの関係の中、グループの中など)で起こっていたことに焦点をあて、気づきを深めていく作業が大切になります。気づきを深め、学びとするためのステップとして、【体験】→【指摘】→【分析】→【仮説化】→【試み体験】の循環モデルを考えています。この過程を大切にすることから、『体験学習』とよぶよりも、『プロセスの学習』とか『気づきの学習』とよぶと良いのかもしれません。学校の先生方と一緒に研究会などをやっていますと、学校教育に『ラボラトリー方式の体験学習』をよりよく理解され実践してもらうためには、『見直し学習』とよぶといいのではないかと話された方もいます。自然体験活動や環境教育などの領域では、体験の中で起こるプロセスに気づき、体験学習の学びのステップを大切にした学習の仕方を『体験学習法』とよび、体験だけに終わらない学びとして成立することをめざして実践活動を行っている人々もいます。


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