ラボラトリー体験学習を知る

体験学習の考え方について

「ラボラトリー」とはどんな意味?

q「ラボラトリー方式の体験学習」の「ラボラトリー方式」とは、どういう意味なのですか?

 

a体験学習によるトレーニングを「ラボラトリー方式のトレーニング」とか、「ラボラトリー方式の体験学習」などとよんでいます。または、「ラボラトリー・メソッドによる体験学習」ともよばれます。
この”ラボラトリー”という言葉を,そのまま訳すと”実験室”となります。それは、第三者によって操作的に人間を操ってトレーニングをするようなイメージであり,「誰かを実験にかける」,「参加者がモルモットになる」といったような響きがついてくるかもしれません。
本来の”ラボラトリー”とは「自分が自分のことをいろいろと試みる場」という意味で,あえて実験という言葉を使っているのは,実験をする主体は学習者自身であることをさしています。まったく研修/教育という新しい教育環境にやってきて,そのときその場にいる人々とのコミュニケーションやグループワークなど,今そこに生じた生の人間関係の体験を素材にして,自分が自分自身を深く見つめ直したり,他者との関係のもち方を点検したり,新しい行動様式(たとえばリーダーシップとか聴く態度など)をグループの中で試したり,グループや組織の人間関係を変革するためのシミュレーションをしたりするのです。 “ラボラトリー”は他者との関係を創り出しながら,自分自身のこと,人間関係そのものを”いまここ”の中のプロセスに気づきながら主体的に学習する場といえます。
通常の学習は,過去の誰かが獲得した知識を教育者から伝達されて,それを記憶する形式で学ぶといった「概念学習」あるいは「知的学習」とよばれます。または,文化伝承型学習とよばれたりします。
しかし,ラボラトリー方式の体験学習は,”今ここで”の自分の体験を他者と共に総合的に検討することによって学習者の変化・成長を生み出す形式なので,「体験学習」あるいは「態度学習」といわれるゆえんでもあります。
最近は,ラボラトリー方式の体験学習というよりは,単に体験学習と呼ばれることが多くなってきています。また,参加者自身の主体性を大切にすることをより表現できるようにと,トレーニングという言葉を使うよりは、「学習」とか「学ぶ」といった言葉が使われるようになってきています。また教育担当者のことを,学習を促進する人という意味で,「トレーナー」というよりは「ファシリテーター(学習促進者)」と呼ぶようになってきています。これも,今日的な教育観の一つの流れであるといえるでしょう。


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